映画 ロード・オブ・ザ・リング エクステンデッド・エディション

　『ロード・オブ・ザ・リング』未収録シーンを追加した3時間バージョンです。『旅の仲間』が30分、『二つの塔』が45分、『王の帰還』は50分追加されています。長けりゃいいというものではありませんが、どんなシーンが追加されたのか？。

　当然ですがストーリーに関わる追加シーンはありません。例えば、

　エルフの都カラス・ガルゾンを去るとき、フロドはガラドリエルから「エアレンディルの光」を貰います。これは通常版にもありますが、旅の仲間は皆それぞれ贈り物を貰っています。ピピンとメリアドクとボロミアはエルフのマントを、サムワイズはロープを、レゴラスは弓を、アラゴルンは短剣をプレゼントされています。ギムリはガラドリエルの髪の毛一本を所望し、何と3本も貰ったと喜んでいますw。エアレンディルの光は、お婆の洞窟で灯りとなり、サムがお婆と戦う際に役立っています。崖を降りるシーンでサムはこのエルフのロープを使っています。この時サムは小さな箱を落としフロドの頭に当たります。箱の中身は調味料で、サムはローストチキンを食べる時のためにホピット庄から運んできたのです。フロドは思わず「サム！」。

　『二つの塔』のセオデン王一行がヘルム峡谷に向かう途上、エオウェン姫がアラルゴンに問います。私の祖父があなたと戦いに出たと、間違いですよね、と。アラルゴンはそれは正しいと答え。エオウェンは重ねて問います。あなたは60、70、80歳？。アラルゴンは長寿の家系で現在87歳であることが明かされます、エエッ!。原作にそうしたことが記されているんでしょうか。ストーリーに直接関わる話ではありませんが、アラルゴンが78歳だったとは！。

　エルフのアルウェンは人間のアラルゴンを愛しており、アラルゴンは人間とエルフという種族の違いを気にかけています。アラルゴンは幼い頃「裂け谷」に暮らしていたようで、その頃ふたりは知り合い恋におちたわけです、なるほど。

　等々、ファンであればニヤリとするエピソードが追加されています。

　もうひとつ。ボロミアは突然「裂け谷」に現れ「旅の仲間」に加わります。ゴンドールの住民のために、フロドから指輪を奪おうとします。これも、父であるゴンドールの執政デネソールの指示なんです。ボロミアの弟ファラミアはデネソールに嫌われていますが、ボロミア、ファラミア、デネソールの関係もエピソードとして挿入されています。

　ファラミアついでに言うと、ヘルム峡谷の戦いの後アラルゴンにフラれたエオウェン姫はファラミアとカップルとなります。

　追加されたシーンは、いずれも映画のシークェンスとして撮影され編集段階でカットされたものです。上映時間という制約の中で、どのシーンを採用しどのシーンをカットする編集というのは難しいものです。「ディレクターズ版」というものが存在する所以です。

　『ロード・オブ・ザ・リング』のファンでも無い限りオリジナル版で十分ですが、個人的には面白かった。こうなると、『ホビット』三部作のエクステンデッド・エディションも観てみたい、『ホビットの冒険』『指輪物語』を読んでみたい、と病硬膏盲に入るわけです。

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