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豊作の秋 [日記(2005)]

    
 柿が豊作、色づいた実から百舌鳥が食べにくる。百舌鳥の余りを干し柿にする予定。
 パイナップルも順調に生育中。


ジェレミー・ドロンフィールド 飛蝗農場 創元推理文庫 [日記(2005)]

飛蝗の農場

飛蝗の農場

  • 作者: ジェレミー ドロンフィールド
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2002/03
  • メディア: 文庫

2002年のミスベス第1位。扉のキャプションは
「ヨークシャーの荒れ野で農場を営むキャロルのところに、謎めいた男が転がり込んできた。(記憶喪失の男と始まる)共同生活・・・幻惑的な冒頭から忘れがたい結末まで、圧倒的な筆力で紡がれる悪夢と戦慄の物語」。

 悪夢と戦慄の物語であるかどうかは別にして、不思議な物語である。農場を営むキャロルとそこに転がり込んできた記憶喪失の男の不器用な恋物語に、何の脈絡もなく、ポルノ映画の照明係、中古車修理工場の従業員、便利屋のフランス人の挿話が挟まれる。この3人をつなぐの糸はこれもまた謎の「汚水溝の渉猟者」。何がなんだか分からないうちに、唐突に殺人事件と警官が登場する警察物語となる。この方がミステリー愛好家としては落ち着く。
 これ以上は、これから読まれる方のために書くわけにはいかないが、好き嫌いのはっきりする小説である。トマス・ハリスが好きな方にはお勧めかもしれない。私のようにプロットを追う荒い読み手は・・・。訳はこなれているので読みやすく、脈絡のない挿話も「筆力」で読ませる。

★★★☆☆