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映画 ビフォア・ミッドナイト(2013米) [日記(2019)]

ビフォア・ミッドナイト [WB COLLECTION][AmazonDVDコレクション] [DVD]  『ビフォア・サンライズ(1995)』→『ビフォア・サンセット(2004)』→、シリーズ第3作『ビフォア・ミッドナイト』。
 アメリカ人ジェシー(イーサン・ホーク)とフランス人セリーヌ(ジュリー・デルピー)がブダペストからパリへの長距離列車で知り合いウィーンの夜の街を彷徨い、1年後の再会を約束して分かれる『ビフォア・サンライズ』。9年後、パリで再会する『ビフォア・サンセット』。『サンセット』では、ジェシーはセリーヌとの出会いを小説に書き、作家となっています。ふたりは再開し、誘われるままセリーヌのアパートに行き、ジェシーは結婚して息子がいることが明かされます。飛行機の時間が迫り、ジェシーは果たしてアメリカに帰ったのかどうか?、という幕切れでした。

 『ミッドナイト』の冒頭は、ギリシアの空港で息子をシカゴの母親の元に送り出すシーンです。どうやらジェシーは離婚したらしい。息子を送り出した後車に戻るとセリーヌと女の子が待っています。セリーヌとジェシーは結婚はしていないようですが一緒に暮らし、双子の娘までいます。ギリシア人の作家に招かれ、セリーヌと娘、先妻との息子の5人でギリシアでバカンスを送っていたようです。

 『サンライズ』で20代だったジェシーとセリーヌは『サンセット』で30代、『ミッドナイト』では40代と、映画と共に主人公たちも俳優も歳を重ね成熟しています。出会いから18年、一緒に暮らし始めて9年、40代にさしかかった二人はかつての甘い関係ではありません。ジェシーは離婚を経験しセリーヌは男遍歴と、純真で情熱的だった心は年を経たの分厚い鎧で覆われています。

 登場人物が実によく喋ります。ほとんど会話から成り立っている映画と言ってもいいです。友人を交えた会食では仲のよい夫婦を演じたジェシーとセリーヌも、ふたりだけになると、遠慮会釈のない不満が噴出します。ホテルの部屋で久々にふたりきりになり、昔を思い出していい雰囲気となるのですが、子育ては任せっきりであなた好勝手なことを、いやオマエこそ等々(犬も喰わない)痴話喧嘩が始まり、もう愛していな!とセリーヌは部屋を出ていってしまいます。

 『サンライズ』『サンセット』の愛もここに至ってついに崩壊?、そんなことはありません。ジョシーはホテルのカフェで沈むセリーヌに他人として近づき「芝居」を演じます。「僕は94年に君に会ったことがある」と、セリーヌに出会いの頃を思い出させ気をひこうとしますが、あえなく失敗。今度は、「僕は時空を越えて50年後の未来からやって来た、部屋にタイムマシンがある」と。小説家ですから、この手の創作はお手のもの。「50年後のキミから手紙を言付かってきた」と、紙ナプキンを手紙に見立てて読み始めます。ラスト会話です、

そのタイムマシンは、裸にならないと乗れないの?(セリーヌ)
衣服は時空連続体の中を移動できないから(ジョシー)

 他愛ないと言えば他愛ない話ですが、18年の歳月がふたりにもたらしたものは、経験と知恵でしょうね。

監督:リチャード・リンクレイター
出演:イーサン・ホーク ジュリー・デルピー

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