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再読 呉善花 侮日論 (2014文藝春秋) [日記 (2022)]

侮日論 「韓国人」はなぜ日本を憎むのか  続きです。呉善花氏の本の感想ですから、nearly《嫌韓》の記事となります、閲覧ご注意。

 韓国大統領が保守派に替わって、日韓関係も少しは変わるのかと思っていました。ところが、バイデンさんの日韓訪問が終わった途端、日本のEEZ内で海洋調査が実施され、韓国の「反日」は変らない様です。この手の話はもうお終いにしようと思っていたのですが、「反日」があまりに面白いので『侮日論』を再読しました。呉善花氏によると、反日とは「侮日」だそうです。侮蔑の「侮」です。

華夷秩序、侵略史観
 「侮日」が何処から来るのかと云うと、よく言われるように、「華夷秩序」の伝統(小中華主義)と、秀吉の半島侵略、日韓併合などの日本の「朝鮮侵略史観」辺りです。
 華夷秩序とは、中国からの距離でその民族の文化・文明を測るという面白い考えです。中国に近い朝鮮は文明度が高く、東北部の女真(満州)や海を隔てた日本は低いわけです。ところが、中国は明が倒れ女真による征服王朝・清となります。漢民族による「中華」が失われたため、中華の正統を引き継ぐのは我が李氏朝鮮だ!ということになります、ナルホド。そうなっても冊封の関係は続きます。
 華夷秩序に比べると侵略史観の方は分かり易い。4世紀末の好太王碑の時代からは、日本は朝鮮に侵略を繰り返し、倭寇は半島を荒らしまわり、秀吉が攻め入り日韓併合までやったではないか。日本人は「歴史的に野蛮で侵略的な日本人の民族的資質」を持っていると云うのです。ロシアの南下を恐れる江戸期の(今でもある?)「恐露病」みたいなものかと思うのですが、この侵略史観が、ことある毎に韓国が繰り返す「歴史認識」という言葉になります。

 劣った民族(夷族)である倭が、小中華の朝鮮族を支配(日韓併合)したのですから、誇り高き民族にとっては屈辱です。これに、

祖先が受けた被害については、子孫はどこまでも恨み続け、罪を問い続けていくことが祖先への孝行だという儒教的な道徳観(位置no.564)

がくっ付いて朴槿恵元大統領の云う「千年の恨」が出来上がったわけでしょう。

血の一体性
 韓国は夫婦別姓です。

この制度は、宗族と呼ばれる男子単系の血脈で構成される、同姓の父系血縁集団の伝統から行なわれてきたものです。(1682)

儒教では血脈が尊ばれ、この血脈が民族、国家まで敷衍されたのが大韓民国です。個人 →家族 →一族 →国家を繋いでいるのが「血」です。普通、個人と国家or民族を繋ぐものは共有する記憶=歴史だと思うのですが...。

(韓国には)強固な血縁集団を単位に社会を形づくってきた伝統的な価値観があります。その価値観は何かといいますと、「身内 正義の価値観」というべきものです。「 身内 =自分の属する血縁一族とその血統」は絶対的な善であり、「身内 = 自分の属する血縁一族とその血統」の繁栄を犯す者 は絶対的な悪だという、儒教由来の 家族主義モラルに基づく価値観です。(1508)

 この「血の一体性(紐帯)」が「華夷秩序」と「侵略史観」と結び付き

生来の野蛮で侵略的な資質をもつ「日本民族」が「民族の聖なる血の一体性を陵辱した」という神話

「従軍慰安婦」が生まれます。

「従軍慰安婦」問題は韓国人にとって、日本民族が「我が民族の聖なる血の一体性」の身体生理をストレートに陵辱した事件、まさしく民族の血そのものを汚した事件であり、心情的には最大の民族陵辱事件なのです。(1751)

 「血の一体性」は、「同姓・同本貫」間の婚姻が1998年まで法律で禁じていたことからも分かる様にDNAに刻まれています?。「華夷秩序」は現在の韓国民に無さそうですが、茶道からソメイヨシノまで元は韓国が発祥だという「韓国起源説」を唱える日本蔑視として逆説的に生き残っています。「侵略史観」に至っては、学校教育で憎悪の再生産を行っています。日韓で起こる事象は、この3つでほぼ説明が付きそうで、なかなか説得力のある面白い本です。

タグ:読書
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