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スマホを使って  読書感想文(2) 「源氏物語」 [日記 (2021)]

Genji_Kaisetsu_03.jpg げんじものがたり 
 スマホを使う読書感想文第2弾ですw。『源氏物語』を読んで読書感想文を書く、という話ではありません。源氏の冒頭『桐壺』の現代語訳を「方言で書く」という「読書感想文」です。これを思いついたのは、いしい・しんじ著『げんじものがたり』です。いしいサンは、源氏物語を「京都弁」で訳し一書をものにしました。源氏を大阪弁や熊本弁、山形弁で書き記してもいいはずです。できる? →桐壺の原文も現代語訳もnetにありますから心配はありません、スマホで検索してコピペするだけです。これだと「コピペだ!」と言われそうですから、「方言」で訳するところに「創作」があります。山形弁の源氏は「オレ(ワタシ)の創作だ!」というわけです。これだと、源氏を全部を読む必要はありませんw。

タイトル:源氏物語の大阪弁訳
原文
いづれの御時にか、女御、更衣あまた候ひ給ひける中に、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めき給ふありけり。
はじめより我はと思ひ上がり給へる御方方、めざましきものに、おとしめそねみ給ふ。
同じほど、それより下臈の更衣たちは、まして安からず。
朝夕の宮仕へにつけても、人の心をのみ動かし、恨みを負ふ積もりにやありけむ、いとあつしくなりゆき、もの心細げに 里がちなるを、いよいよ飽かずあはれなるものに思ほして、人のそしりをもえ憚らせ給はず、世の例(ためし)にもなりぬべき御もてなしなり。
上達部(かんだちめ)、上人(うへびと)などもあいなく目をそばめつつ、いとまばゆき人の御覚えなり。唐土(もろこし)にも、かかることの起こりにこそ、世も乱れ悪(あ)しかりけれと、やうやう、天(あめ)の下にもあぢきなう、人のもて悩みぐさになりて、楊貴妃の例も引き出でつべくなりゆくに、いとはしたなきこと多かれど、かたじけなき御心ばへのたぐひなきを頼みにて、交じらひ給ふ。
父の大納言は亡くなりて、母北の方なむ古の人の由あるにて、親うち具し、さしあたりて世の覚え華やかなる御方々にもいたう劣らず、何ごとの儀式をももてなし給ひけれど、取り立ててはかばかしき後ろ見しなければ、事ある時は、なほ拠り所なく心細げなり。
前の世にも御契りや深かりけむ、世になく清らなる玉の男御子さへ生まれ給ひぬ。
いつしかと心もとながらせ給ひて、急ぎ参らせて御覧ずるに、めづらかなる児(ちご)の御容貌(かたち)なり。

大阪弁訳
 いつの天皇さんの時代のことやったかなぁ。御所には後宮という大奥みたな所があって、女御、更衣とかいう女性がイッパイいてる。そんなかで、そんなに身分の高い貴族の出身ではないんやけど、天皇さんにごっつう可愛がれた人(桐壷サン)がいてはった。
天皇さんに気に入られるためには競争が激しい。私こそが一番やという思い上がった女や親兄弟が勢力を持った女からは軽蔑され、出自がどっこいどっこいかそれ以下の女性からは、何でアイツなんや!と妬まれていた。
朝晩の宮中勤務でもイジワルされるし、まぁイジメやな。登校拒否みたいになって実家に帰ってしもうた。この朝夕の「おつとめ」というのは、たぶん、天皇さんが夕方に桐壷サンを自分の部屋に呼び込び入れ、朝に桐壺サンが天皇の部屋から出ることだと思うんやが、そういうことや。で天皇さんは、可哀想や思い、人がどう言おうがますます桐壷サンを大事にしはるわけ。
御所の大臣や役人は、中国でも皇帝がひとりの女性ばかり可愛がると国が乱れるんとちゃうかと心配するんやけど、天皇さんは知らんぷり。桐壺ハンは楊貴妃や!。
 そんなこんなで、桐壺サンはめちゃカワイイ男の子を産みます。正妻の息子サンの方は実家の身分が高いんで、世間では行く末皇太子やと噂されるんやが、天皇さんは桐壺サンの子供の方がカワイイので、こっちの方ばっか可愛がる。

 というのが光源氏の誕生です。身分の低い女性から生まれた天皇の子供が、結局天皇にはなれず、そのイケメンを生かしてプレーボーイとして生きる、それが『源氏物語』らしいです。

 こんなの「読書感想文」になるんですかねぇw。原文+大阪弁訳で文字数は1269、原稿用紙約3枚!。原文と与謝野晶子現代語訳を読みながら大阪弁に訳するのは、けっこう楽しいです(いしいサンも楽しかった筈)。古語辞典をひけば古文の学習になります。
 この方法を使えば、芭蕉『奥の細道』、『万葉集』など何でも感想文になります。西鶴なんか面白そう…。

タグ:読書
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