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映画 めぐりあう時間たち(2002米) [日記(2009)]

めぐりあう時間たち [DVD]

めぐりあう時間たち [DVD]

  • 出版社/メーカー: アスミック
  • メディア: DVD
 これはまた難解な映画です。

 3つの時代の3人の女性の時間が交差してひとつの物語を作り出しています。ひとりは1923年のヴァージニア・ウルフ(ニコール・キッドマン)、もうひとりは1951年のローラ・ブラウン(ジュリアン・ムーア)、最後が2001年のクラリッサ・ヴォーン(メリル・ストリープ)。時空を超えた3人の女性のそれぞれの1日の出来事を重ね合わせ、疎外と愛と人生を描いています。監督は『愛を読むひと』で話題のスティーブン・ダルドリー。ヴァージニア・ウルフは実在のイギリスの作家です。

 ヴァージニア・ウルフの小説『ダロウェイ夫人』が映画の下敷きとなっています。ヴァージニアはこの小説を執筆中であり、ローラはこの小説を読書中、クラリッサのあだ名は『ダロウェイ夫人』。

●1923年のリッチモンドでヴァージニアが『ミセス・ダロウェイは言った「花は買ってくるわ、私が」』と書くと、
●1951年のロサンゼルスでローラはベットの上で『花は私が買ってくるは』と声を上げて読み、
●2001年のNYでクラリッサは『花は私が買ってくるは』と家族に言います。

3人の女性が時代を超えて共に生きていることを鮮やかに描いています。

 3人のストーリーを読み解きながら、この映画の意味を考えてみます。以下ネタバレとなれますのでご注意。

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ディップメータの制作 [日記(2009)]

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                                            今回の回路

 ディップ・メータです。10年以上前に作ったもので詳細不明。久々に出番が回ってきたのですが、動かない(^^;)。回路図もないので、全部バラして組み直しました。2SK192で発信させて2SK241でバッファを付けて外付けのデジタルカウンタで周波数を読もうということです。こちらの回路をそのまま使わせて頂きました、感謝。

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映画放映予定 衛星映画劇場 & ハイヴィジョンシネマ [日記(2009)]

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 NHKのBS映画カレンダーをチェックしていると好みの映画がオンエアーされるようなので、備忘録として書いておきます。タクシードライバー、ガンジーとゴッドファーザーⅢは借りようかと思っていたのでラッキーです。ニューシネマパラダイスは、先日劇場公開版を放映していましたが、完全オリジナル版をやるんですね。

BS  12月23日(水) 午前1:00~午前3:05(22日深夜) 天使の贈りもの  THE PREACHER‘S WIFE
BS  12月24日(木) 午前1:00~午前3:01(23日深夜) アントワン・フィッシャー きみの帰る場所  ANTWONE FISHER
Hi  12月25日(金) 午後9:00~午前0:40  ラストエンペラー ディレクターズカット版 
BS 12月25日(金) 午前1:00~午前2:41(24日深夜) プルーフ・オブ・マイ・ライフ  PROOF
BS 12月27日(日) 午前1:00~午前2:55  タクシードライバー  TAXI DRIVER
BS 12月28日(月) 午後0:15~午後2:07  ピノッキオ  PINOCCHIO
Hi     1月4日(月) 午後11:00~午前1:57  ゴッドファーザー  THE GODFATHER
Hi     1月5日(火) 午後11:00~午前2:23  ゴッドファーザーPART II  THE GODFATHER PARTII
Hi     1月6日(水) 午後11:00~午前1:51  ゴッドファーザーPARTIII  THE GODFATHER PARTIII 
Hi     1月7日(木) 午後11:00~午前2:12  ガンジー  GANDHI
BS    1月8日(金) 午後1:00~午後3:54  ニュー・シネマ・パラダイス 完全オリジナル版  NUOVO CINEMA PARADISO 
Hi   1月8日(金) 午後10:00~午前0:18  未知との遭遇 ファイナル・カット版  CLOSE ENCOUNTERS OF THE THIRD KIND
BS    1月11日(月) 午後9:00~午後11:20  マスター・アンド・コマンダー  MASTER AND COMMANDER:THE FAR SIDE OF THE WORLD
BS    1月24日(日) 午前1:00~午前3:08(23日深夜)  世界最速のインディアン  THE WORLD'S FASTEST INDIAN 
BS  1月25日(月) 午後1:00~午後3:26  ワイルドバンチ  THE WILD BUNCH



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読書 マイクル・コナリー わが心臓の痛み [日記(2009)]

わが心臓の痛み〈上〉 (扶桑社ミステリー)

わが心臓の痛み〈上〉 (扶桑社ミステリー)

  • 作者: マイクル コナリー
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2002/11
  • メディア: 文庫
 映画を見たこともあって、『ツン読』から取り出して読んでみました。原題は“Blood Wrok”。本文で、FBIでは連続殺人事件の捜査担当者は自分達の仕事を『血の任務(Blood Wrok)』と呼んでいる、と書いています。邦題『わが心臓の痛み』とはうまく付けたものだと思います。

 映画もまぁまぁ面白かったのですが、結末が分かっていても原作は面白く、数々のミステリーを送り出してきたコナリーならではです。コナリーと言えばボッシュ・シリーズですが、こちらはボッシュの出てこないノン・シリーズです。主人公は心臓移植を受けた元FBI心理分析官マッケレイブ。ストーリーはこの元FBI捜査官が心臓のドナーに係わる殺人事の犯人を追うという着想が意表を突きます。臓器移植は拒絶反応の問題で、血液型の一致などが重要なファクターですが、この血の問題を扱っているので“Blood Wrok”なのです。

 本筋はもちろん、ちょっとしたエピソードも見逃せません。FBIは連邦捜査局の略称ですが、複数の州にまたがった事件を扱う機関で、ロスとかNYで起こる事件は市警が、郡部で起こる事件は保安官事務所が扱います。要請があったり、FBIのお節介で市警や保安官事務所と連携するようですが、この縄張り争いの話しも結構リアルで面白いです。
 ミステリーではこの心理分析官がよく登場しますが、元心理分析官のイメージはマッケレイブと保安官事務所の刑事ジェイが知り合う元となった『墓場男』事件で要領よく説明されており、ナルホドと思います。
 マッケレイブとロス市警のアラゴンが初めて会うシーンは参考になります。マッケレイブはアラゴンの左の位置を取って座ります。この理由が面白いです。

 話しをする相手を自分の右側に座らせたかった。・・・話しをする相手を自分の右側に置くこと。つまり、相手は、左側からこちらを見、批判力と判断力の劣る側の脳を使うことになる。

 FBIで習う催眠と尋問のテクニックだそうです。今度から私も使ってみます。この催眠術も出て来ます。事件の目撃者をマッケレイブ自身が催眠術にかけて記憶を引き出そうとします。ビデオの再生、ストップ、スローモーションの要領でやるのですが、この描写はリアルです(本当かどうかは別)。

 と、まぁいろいろ楽しめます。

 マイクル・コナリーですが、今年の週刊文春のミステリー・ベスト10の第9位に『リンカーン弁護士』が入っています。なかなか頑張っているようです。



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映画 許されざる者(1992米) [日記(2009)]

許されざる者 [DVD]

許されざる者 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD
 最近、完全に映画blogになっています。読書はどうした?・・・笑い。

 『ブラッド・ワーク』 『荒野の用心棒』⇒クリント・イーストウッドつながりです。『最後の西部劇』とよばれ、セルジオ・レオーネ(『荒野の用心棒』の監督)とドン・シーゲル(『ダーティーハリー』の監督)への献辞があるとかで、セルジオ・レオーネつながりもあります。

 売春宿で娼婦がめった切りにされるシーンからはじまります。暴行を受けた復讐に、同僚の娼婦達は蓄えをはたいて犯人の殺害に1,000ドルの賞金をかけます。これに乗るのがクリント・イーストウッド、モーガン・フリーマン、リチャード・ハリスとなります。

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電子書籍あれこれ (4) googleという黒船 [日記(2009)]

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 X’masプレゼントにkindleが売れているようです。Kindle for iPhoneがリリースされ、netを賑わせています。Kindleも日本語のPDFが読めるようになり、青空文庫をPDFにするサービスも始まったようです。『日本語ハック』が必要らしいですが、英辞郎まで入るとか。日本語Kindleもまもなくでしょう。しかし、電子書籍で本命はGoogleではないかと思います。
  『インターネットは本を殺すのか』というダイヤモンドのサイトにある村瀬拓男氏の解説を興味深く読みました。その前編である、『黒船グーグルが日本に迫るデジタル開国』をまとめながら、電子書籍について考えてみます。

1.グーグル和解問題
 事の起こりは2004年の『グーグル・ライブラリプ・ロジェクト』です。グーグルが米図書館と提携して蔵書を片っ端から電子化しようというのです。2005年、米国作家組合と出版社がグーグルを相手に著作権侵害の訴訟をおこしました。そりゃそうでしょう、自分の著作が勝手に電子化され何時公開されるか分からない状態になれば、誰だって文句を付けたくなります。

 ここで『フェアユース』という概念が出て来ます。グーグルは、俺たちのやっているのは『フェアユース』だというのです。

米著作権法では「批評、解説、ニュース報道、教授(教室での利用のための複数のコピー作成行為を含む)、研究、調査等を目的とする」場合のフェアユースを認めている(wikipedia)

 非営利で公共の福祉に資する行為は著作権を侵さない、ということでしょうね。『グーグル和解問題』の裁判では、『フェアユース』の結論は出さずに、2009年10月に和解が成立しています。著者によると和解案は以下の通りです。

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映画 荒野の用心棒(1964伊) [日記(2009)]

荒野の用心棒 完全版 スペシャル・エディション [DVD]

荒野の用心棒 完全版 スペシャル・エディション [DVD]

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • メディア: DVD

 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』が素晴らしかったので、セルジオ・レオーネの出世作『荒野の用心棒』を思わず借りてきました。エンニオ・モリコーネの音楽とともに忘れられない西部劇です。クリント・イーストウッドが本格的に映画に進出するきっかけとなった一作です。

 初めて見たとき(ずっと昔)、ジョン・ウェインやヘンリー・フォンダの西部劇と比べて違和感がありましたが、ソンブレロと白壁の建物が独特の雰囲気を出して新鮮でした。何と云っても、全体を覆う乾いたトーンと(当時としては)リアルな暴力シーンは、哀調を帯びたエンニオ・モリコーネの音楽とともに一時代を作った記念作です。

 黒澤明の『用心棒』の剽窃であることは有名ですが、これはこれで立派なリメイクでしょう。対立する二つのヤクザ一家をけしかけて共倒れに持ち込み、街に平和をもたらす筋書きはそっくりそのまま。東野英治郎が演じた飯屋の親父も、酒場の親父として登場、棺桶屋も居ますね。黒澤『用心棒』で凄みを見せた仲代達矢はラモンに、山田五十鈴はバクスターのお奥さんに置き換えられています(仲代達矢、山田五十鈴の方が役者が上?)。これは黒澤プロに文句を付けられても仕方が無いでしょう。『用心棒』にあって『荒野の用心棒』に無いものは、ユーモア。『荒野の用心棒』もそこそこリアルですが哀しいかな拳銃とライフル、『用心棒』の三船敏郎と仲代の一騎打ちの殺陣には負けます。そのうち、クロサワを観てみようと思います。

 なんだかんだ言っても、名作でしょうね。昔の西部劇と言えば、ジェーン・フォンダ、リー・マービンでナット・キング・コールがバンジョー弾いて語りつとめる『キャット・バルー』というのが印象に残ってますが、久々にこれも見てみたいものです。

【追記】
ダシール・ハメットの『血の収穫』(1929年)と黒澤『用心棒』がよく似ているらしいです。

監督:セルジオ・レオーネ
出演者:
クリント・イーストウッド
マリアンネ・コッホ
ジャン・マリア・ヴォロンテ



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NTTdocomo F-04B [日記(2009)]

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 QWERTYキーが付いているスマートフォンにはつい反応してしまいます。またまた変な携帯電話出ました。ディスプレーとQWERTYキーが分離し、bluetoothでコントロールする携帯 NTT docomo F-04B です。この辺りが詳しいです。
 普通の10キーの付いたスライド式携帯、QWERTYキー付携帯、おまけにQWERTYキーを外してプロジェクターが取り付けられるようです。どういったコンセプトで開発(富士通)されたんでしょうか?。

 スマートフォンにQWERTYキーは必須だと思いますが、分離させてしか使えないことに疑問を感じます。スマートフォンは何時でも何処でも入力できることが条件ですから、BlackBerryのように表に出すか、スライド式にするか、タッチパネルにするかが常識だと思うのですが。分離させるとこのこの利便性が失われます。F-04Bは当然タッチパネルは装備しています。

 ディスプレイ部とキーボード部がbluetoothでつながっていますから、

カメラのシャッターや、ワンセグの音量調節とチャンネル変更、ゲームの操作などができる
通話をしながらメールやアドレス帳、スケジュール、カメラなどを利用できる

これを記事では多彩なスタイルで利用できると書いています。ワンセグ見ながら通話ができることが多彩なスタイルなのかどうか。電話しながらスケジュールが確認できるのは悪くはありませんが、スケジュールを携帯に依存している私はこういった必要性をあまり感じたことはありません。

 オプションのプロジェクターですが、どうして携帯にプロジェクターが要るのですかね?プロジェクターはプレゼン用ですから、壁に映して楽しむのもまぁ悪くないでしょうが。

 個人的にはGoogleが2010年に出すという携帯が気になっています。


映画 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(1984年米) [日記(2009)]

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 完全版 [DVD]

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 完全版 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD
 セルジオ・レオーネといえば『荒野の用心棒』などマカロ・ニウェスタンの創始者であり大御所です。レオーネが描くとこうなる!というギャング映画の決定版です。初回劇場公開版(144分)、劇場再公開版(205分)完全版(229分)の3版があるそうですが、私が見たのは完全版、disc2枚、4時間に及ぶ大作です。

 禁酒法時代のニューヨーク、ユダヤ人街を舞台に、5人の若者が織りなす成功と挫折、愛と裏切りを詩情豊かに歌い上げた傑作です。

 主人公ヌードルスを中心に、物語は3つに分かれます。

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毎日新聞 この1年 文芸 [日記(2009)]

許されざる者 上

許されざる者 上

  • 作者: 辻原 登
  • 出版社/メーカー: 毎日新聞社
  • 発売日: 2009/06/19
  • メディア: 単行本
 読書ネタが無いので、少し。

 年末恒例のベスト10は好きで、ミステリー過去分は一覧表にして携帯に入れています。新聞もこの1年を振り返る、といった記事がチラホラ。本日の毎日新聞が小説を取り上げていました。今年は新刊を2冊も(上下ものだから4冊)読んだので、胸を張って記事を読めるんです・・・笑い

6人の評者がそれぞれ5編選んでいます。2票以上入ったものだけ書き抜くと、

川上未映子 ヘヴン
橋本 治 巡礼
中村文則 掏摸
辻原 登 許されざる者

 私が読んだ『1Q84』と『太陽を曳く馬』は1票。『1Q84』は(1と2あわせて)224万部売れ、年間ベストセラー1位。文芸書が1位となるのは古今未曾有の事件らしいです。『太陽を曳く馬』は、沼野充義(東大教授・仏文学者)によると、

思想的論議を『ここまでやるか』というすごさで圧倒的。

と評されていますが、同感。ちょっとヤリ過ぎで小説としての面白さに欠けましたが。

取り上げられた本の中で、古本なったら(^^;)読んでもいいなと思うのが、
許されざる者』・・・日露戦争と大杉栄の大逆事件を背景とした好みの近代史物。
奥泉光『神器 軍艦「橿原」殺人事件』・・・『吾輩は猫である殺人事件』の面白さを期待して。

です。奥泉作品についてはコメントが無かったのでamazonのレビューを見ると、

ミステリーファンから見ればミステリーでなく(かつては「葦と百合」とかいい作品があったのに)、純文学ファンからすれば純文学でなく(芥川賞当時は期待させたのに)、難解すぎてエンターテインメントとしても成立していない(「鳥類学者のファンタジア」とかもうちょっと軽くて面白かったのに)。

などという評があり、うまいですねぇ。これは『鳥類学者のファンタジア』が先かもしれません。
鳥類学者のファンタジア (集英社文庫)

鳥類学者のファンタジア (集英社文庫)

  • 作者: 奥泉 光
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2004/04
  • メディア: 文庫

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