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ドゥニ・ヴィルヌーヴ(3) 複製された男(2013加) [日記 (2023)]

複製された男 (日本語、吹替用字幕付き) [DVD]  原題:Enemy。「複製された」と言ってもSFではありません。大学の教師アダムと瓜二つの売れない俳優アンソニーのふたりの男の物語です。原作はポルトガルのノーベル作家ジョゼ・サラマーゴの小説だそうです。

 大学教師アダム(ジェイク・ギレンホール)は、友人に勧められて観た映画に、自分と瓜二つの俳優を見つけます。アダムは男に興味を持ち、素性を調べ男に近づきます。男は三流俳優のアンソニー(ジェイク・ギレンホールの二役)。大学教師と売れない俳優が服を交換して入れ替わります。外見が瓜二つなのを利用して、アンソニーはアダムの恋人メアリー(メラニー・ロラン)に近づき、アダムはアンソニーの家に入りその妻ヘレン(サラ・ガドン)と関係を持ちます。顔が瓜二つでも女性は気付きます。メアリーは男の薬指に指輪の跡があることでアダムではないことに気付き、ヘレンは男がアダムであることに気付きます。ヘレンはアダムの存在を夫から聞かされ、大学に確認しに行っています。アダムがアンソニーの部屋でヘレンと過ごした後、彼女は「お母さんから電話があったわ、かけてあげて」と言い、振り返るとそこには巨大な蜘蛛、そこで映画は終わります。

 冒頭、母親からアダムに電話がかかり母親は「気ままに暮らしていて 将来に不安はないの?」と言います。続いて、秘密クラブような所で裸の女を食い入る様に見つめるアンソニーが登場し、女は舞台から蜘蛛を放ちます。また、アダムは大学で独裁者の「支配」について講義し、アダムの母親(イザベラ・ロッセリーニ)が登場し「瓜二つはあり得ない、あなたは大事な一人息子で 私はその母親よ 教員をやってて住まいも立派ね 三流役者とそっくりなんて話はよして」と言います。アンソニーの妻は妊娠6ヶ月で、未来の母親。
 ラストの巨大な蜘蛛の出現で、蜘蛛と母親と支配の伏線が回収されます。蜘蛛は心理学では「縛り傷つける女性」「束縛する母親」を象徴だそうです。

 いろんな解釈が成り立ちます。瓜二つの人間がいたという解釈、二組のカップルが妻と恋人を交換するという解釈、アダムが現実でアンソニーはアダムの妄想だったという解釈、等など。支配と女性と蜘蛛の三題噺でしょうね。原題がEnemy=敵というのが気になります、女は敵?。

監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演: ジェイク・ギレンホール、メラニー・ロラン、サラ・ガドン、イザベラ・ロッセリーニ

【ドゥニ・ヴィルヌーヴ】
2009 静かなる叫び
2010 灼熱の魂
2013 プリズナーズ
    複製された男・・・このページ
2015 ボーダーライン
2016 メッセージ
2017 ブレードランナー 2049
2021 DUNE/デューン 砂の惑星

タグ:映画
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