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宮崎駿 宮崎駿の雑想ノート(1997大日本絵画) [日記 (2021)]

宮崎駿の雑想ノート  『泥まみれの虎 宮崎駿の妄想ノート』に続く『雑想ノート』です。1984~1992年にわたって「月間モデルグラフィックス」に連載された13話からなる「絵本」。手書きの文字に作者の薀蓄と熱い思いが伺える宮崎駿のマニアックな妄想世界です。
 『知られざる巨人の末弟』は、アニメ『風立ちぬ』にも登場するドイツの輸送機ユンカースG-38。架空のボストニア国を舞台に、ライセンス生産されたWP-30重空中戦艦が夢想されます。日本でも九二式重爆撃機として生産されたらしいです。『飛行艇時代』はアニメ『紅の豚』の原型でマッキM.33、カーチスR3Cが登場し、『豚の虎』は『泥まみれの虎』の原型。電動モーター駆動のディーガー戦車があるそうです。ポテーズ540爆撃機、マーチン139w(B-10)、96式陸攻も登場し、往年のプラモ少年の夢を掻き立ててくれます。

1:知られざる巨人の末弟(1984):重空中戦艦ユンカースG-38。
2:甲鉄の意気地(1984): アメリカ南北戦争に登場した奇っ怪な装甲艦ヴァージニア、モニター。
3:多砲塔の出番(1984):重戦車。
4:農夫の眼(1985):スペイン内線の義勇軍で使われたポテーズ540爆撃機(フランス製)、アンドレ・マルローも搭乗したとか。
5:竜の甲鉄(1985):日清戦争に登場した清国北洋艦隊の旗艦「定遠」。
6:九州上空の重轟炸機(1986):1938年、九州上空に現れた中国軍機マーチン139w(B-10)。
7:高射砲塔(1986):ドイツ軍の高射砲塔。
8:Q.ship(1986):帆船に偽装したUボート。
9:特設空母 安松丸物語(1987):民間船を改造した空母と搭載された96式陸攻の架空戦記。
10:ロンドン上空1918年(1989):ツェッペリン シュターケンR-Ⅳの架空戦記。
11:最貧前線(1990):漁船を特設監視艇に仕立てた日本のB-29監視船。
12:飛行艇時代(1990):『紅の豚』の原作。マッキM.33、カーチスR3C。
13:豚の虎(1992):ディーガー戦車PV4501(P)。
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TVドラマ 24 -TWENTY FOUR-(2001~2010米) [日記 (2021)]

24 -TWENTY FOUR- シーズン1  (SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]  有名なTVドラマ『24』を見ました(AmazonPrimeVideo)。『ウォーキングデッド』『ゲーム・オブ・スローンズ』に続いて3本目。日本のTVドラマは全く見ませんが、米国モノはクォリティーも高くけっこう面白い、暇つぶしに最適。もっとも、TVドラマですから映画のクォリティーとは別物です。過去の放送が一気に見ることができるのもメリット。

 アメリカのテロ対策組織CTUのロサンゼル支局を舞台に、捜査官ジャック・バウアー(キーファー・サザーランド)がテロ組織と闘うアクションものです。24時間の出来事を観客も24時間かけて見るというもので、1つの事件(1シーズン)が1時間ドラマx24話=24時間という構成です。登場人物は24時間徹夜しますw。24時間に起承転結を盛り込み、捜査官の人間模様が描かれ、これにホワイトハウスの権力闘争が加わるわけですからまことに忙しい。

 CTUが大統領候補の暗殺を防ぎ、この候補が大統領となったことで、テロとの闘いは、ジャック・バウアーと大統領の二人三脚となります。大統領はワシントンから指令を出すのかと思ったら、LAに出張してきます。オーバルルームのセットを組まなくていいので安上がり。CTUの捜査というのが、ネットワークを使った衛星画像、電話の盗聴、位置情報の割り出しとあらゆるデータのハッキング(『ボーン・シリーズ』と似ています)。ジャックがテロと闘い、CTUがネットワークを使ってジャックを支援するというのが、シリーズを通じての構図です。捜査のためにはコンビニ強盗も辞せず、電力会社のサーバーに侵入して停電を起こし、中国領事館に侵入して容疑者を拉致と何でもアリ。シーズン6では、ジャックがロシア領事館に侵入して捕まり、CTUのコマンド25人が領事館に攻撃をかけるという有り様。テロ対策組織ではなく、テロ組織そのものです。

 テロリストは、お馴染みの中東のイスラム武装集団、ロシアに反発する中央アジアの反体制組織、産軍複合体等など。面白いのは、このテロを利用する組織がアメリカ内部に、しかもホワイトハウス内部あり、テロに荷担すること。テロリストの方もCTUにスパイを送り込み、サイバーテロを仕掛け、毒ガスを撒き、挙げ句の果てにカリフォルニアで核爆発お起こします。こっちも何でもアリで、もうグチャクチャ。

 ツッコミ所満載ですがこれが面白い。大ヒットしたようで、24話☓シーズン8=192話もあります。オススメかというと、見ないほうがいいです →続きが気になって次々と見てしまい、その間何も手が付かなくなります...w。

タグ:映画
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浅田次郎 流人道中記 ② (2020中央公論新社) [日記 (2021)]

流人道中記(上) (単行本) 流人道中記(下) (単行本)続きです。
 有壁宿の「宿村送り」は浅田次郎好みの噺です。一関に近い有壁の木賃宿で女が病に倒れます。女は盛岡の北にある沼宮内の農婦。亭主の菩提を弔う伊勢詣りの帰り、有壁まで来て倒れ、「故郷の水を飲んで死にたい」と言ったため「宿村送り」騒動が持ち上がります。

 「宿村送り」とは初めて知りました。「生類憐みの令」で有名な五代将軍綱吉の頃に定められ政令らしく、

旅人が必ず所持する往来手形には、旅の目的や住所のほかに、「右の者もし病死等つかまつり候はば、その所の作法を以て取り計らい下されたく」というような文言が付記されている。
しかし、病を得た旅人が故郷に帰りたいと願ったなら、沿道の宿駅はその懸命の意思を叶えてやらねばならなかった。(下巻p109)

 旅が困難となった旅行者を行政が救うというのです。「故郷の水を飲んで死にたい」と言えば、道中手形を持った旅人は「お上」の救済が期待でき、病気の看護や親類縁者への連絡、病死の場合も埋葬も行政の手で処理されたといいます。江戸時代というものが如何に凄い時代だったかが分かります。

 農婦・お菊が「故郷の水を飲んで死にたい」と言ったため、有壁を管轄する一関の代官は医者を呼びお菊を籠に乗せ、故郷の沼宮内に送ります。藩境では代官自ら南部藩に引き継ぎ、引き継いだ代官も生きて故郷に送るため心をくだきます。実はこれが仮病、夫を亡くし家族の無いお菊は飢饉が頻発する東北の村では厄介者、それを自覚するお菊は旅先で死ぬためにお伊勢参りをしたのですが、善根宿に助けら伊勢参りを済ませ一関まで帰り着き路銀が尽きたため「宿村送り」に頼ったわけです。頼ったものの、お菊は故郷の村に帰りたいのかというと、

「冷やっけえ夏でがんすな。花巻がこんたな陽気だば、おらが里のあだりは山背にくるまれてるだべ」
次郎兵衛(代官)は答えなかった。北の海から流れてくる山背の寒気は、夏の陽射しを遮って冷害をもたらす。御領内の米どころであるこのあたりですら、今年の実入りが悪いことは一目瞭然だった。
飢饉がくる。そうとわかっている生まれ故郷に、死に損ねてたどり着くお菊の胸中はいかばかりであろう。村人たちにとっては、天下の御誕(宿村送り)も大迷惑にちがいなかった。食い扶持がひとり増えるだけだ。(下巻p109)

お菊は「おらを殺してけろ」と言いいます。

 一関の代官も南部藩の代官も、そして玄蕃も仮病と分かってもお菊をいたわり「宿村送り」をします。玄蕃は、産みの母親の名がお菊であったことを乙次郎に告げ、過去を語りだします。不義密通の経緯となぜ切腹を拒んだのか?、3千石の御殿様がなぜ下々の事情、人情の機微通じているのか?の謎が明らかになります。『壬生義士伝』の重厚さはありませんが、一気に読ませませる「語り」は浅田次郎ならではです。

タグ:読書
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梅、菜の花 [日記 (2021)]

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 緊急事態宣言も終わるし、近くの梅園に行ってきました。誰しも考える事は同じで、結構な人出。

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