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映画 デリシュ!(2020仏ベルギー) [日記 (2023)]

デリシュ! [DVD]  料理を主題にした映画は『マーサの幸せのレシピ』『バペットの晩餐会』と色々ありますが、そこに『デリシュ!』が加わりました。料理とフランス革命を掛けたフランスらしい映画です。美味しい料理は人を幸せしますから、この手の映画も観る人の心を暖かくします。ラストで、数日後にバスティーユ監獄の襲撃(1789年7月14日)されたとテロップが入りますから、その頃の話です。冒頭、

貴族が料理によって力を誇示していた18世紀 庶民はなにより食べることに必死だった
旅籠などが旅人に簡単な食事を出していたが 外食の機会は稀であった
皆で食事を楽しむレストランという場は まだ生まれていなかった

とテロップが入ります。つまり、レストランが生まれる話です。

 主人公は公爵の料理人マンスロン(グレゴリー・ガドゥボウ)。マンスロンはジャガイモとトリュフのパイを公爵の宴会に供し、ジャガイモは豚の食べ物だと不興を買います。コックは命じられた料理だけを作ればよいと。このパイはマンスロンの創作料理で料理人として誇り高い彼は謝らなかったためにクビ、城を追い出されて宿駅のパン職人に戻ります。駅馬車の中継駅である宿駅は、馬の世話が中心ですが客は来るわけで、息子のバンジャマンはこの客にマンスロンの食事を提供すれば繁盛すると考えます。ところがマンスロンはやる気無し。そんなマンスロンのもとに弟子入りしたいと中年女性が現れます。マンスロンは断りますが、この女性ルイーズ(イザベル・カレ)は授業料まで払って居付いてしまい、ルイーズの登場によってストーリーが動き出します。

 マンスロンはルイーズは働いたことのない女性だと見抜き、立ち振る舞いからアンタは貴族か娼婦だ、貴族はこんな穴蔵には来ないと言います。ルイーズはパリの娼婦であると白状します。娼婦が何故マンスロンに弟子入りしたのか?、これで観客を引っ張って行きます。
 マンスロンをクビにした公爵が宿駅の評判を聞き、マンスロンの料理を食べに来るという連絡が入ります。ルイーズ、バンジャマンと共に40品の料理を用意をしますが、空腹に耐えられなかった公爵は、宿駅の手前の旅籠で食事をし素通り。怒ったルイーズは料理を庭にブチ撒け、それをついばんだ鶏はバッタリ。ルイーズは、公爵を殺そうと料理に毒を入れたことを自白します。ルイーズの正体はパリの娼婦ではなく、公爵に夫を殺された侯爵夫人。復讐のためマンスロンに弟子入りし、公爵暗殺の機会を狙っていたのです。

 マンスロンが落馬して意識不明となり、ルイーズは寝ずの看病。この辺りから二人の関係が変化します、つまりロマンス。起きられる様になって庭に出ると、庭は食事をする兵士で一杯。野営でパンを買いに来た兵士に食事を勧めたところ次々にやって来たわけです。貴族も農民も共に食事が出来るレストランを作るというバンジャマンとルイーズの計画にマンスロンが乗り、フランス初の「レストラン」が開業します。公爵が来ればまた暗殺を企てかねないと考えたルイーズは、マンスロンに累が及ぶため宿駅を去ります。

 ルイーズに去られたマンスロンは意気消沈、レストランも火が消えたようになります。マンスロンはルイーズのために公爵暗殺を計画し、公爵をレストランに招待し、同時にチラシを配って無料の試食会を催します。美食は貴族の特権だと考える公爵はオマエは縛り首だ!と怒り、庶民は貴族を縛り首にしろ!と非難し、ルイーズは公爵の犯罪を暴きます。公爵はほうほうのていで逃げ出し、「数日後バスティーユ監獄が陥落した(フランス革命)」とテロップが流れます。美食と恋とフランス革命のいかにもフランスらしい映画です。窓から差し込む光、ロウソクの光を使った映像は絵画のようで美しいです。オススメ。
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【料理の映画】
監督:エリック・ベナール
出演:グレゴリー・ガドゥボウ、イザベル・カレ

タグ:映画
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