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映画 さらば愛しきアウトロー(2018米) [日記 (2021)]

さらば愛しきアウトロー [レンタル落ち]  原題はThe Old Man & the Gun。実在の銀行強盗フォレスト・タッカーを描いたクライムムービーです。タッカーは、15歳の頃車の窃盗を皮切りに84歳で亡くなる2004年まで投獄と18回の脱獄を繰り返したという伝説の犯罪者。その間(映画によると)一発の銃弾も撃たず誰一人傷つけなかったという異色の犯罪者です。

 タッカーを演じるのは80歳のロバート・レッドフォード。ダニー・グローヴァー、ティカ・サンプター、トム・ウェイツ、シシー・スペイセクらベテランが脇を固める、老人映画です。
 タッカー(ロバート・レッドフォード)は銀行の窓口に鞄を置き、拳銃を見せながら

僕は銀行強盗だ、バッグに金を入れろ。バカなマネはするなよ
君を傷つけたくない君が好きだから

 とか何とか言って金を奪う銀行強盗。窓口の女の子や支店長は、「犯人は優しかった」「紳士だった」などと言う始末。鞄1個ですから大した金額ではありませんが、オクラホマ、ミズリー、アーカンソー、テキサスなど、2年間で93件荒稼ぎ。タッカーが奪い、ダニー・グローヴァー とトム・ウェイツが見張りをし逃亡を助けるという3人組の老銀行ギャングで、世間では「黄昏ギャング」と呼ばれています。

 1981年テキサス州州ダラス、この老人ギャングの犯行に、刑事ジョン(ケイシー・アフレック)がたまたまた出くわします。出くわしたことで、ジョンは黄昏ギャングの捜査担当となります。子連れで客として銀行に行ったのです。ジョンは、(ケイシー・アフレックの)何時ものやる気のない口調、覆面パトカーの無線を子供に使わせたり、奥さんとの会話から刑事を辞めたがっていることが伺われる、ユルイ刑事。捜査を進める間にタッカーに親近感を抱く始末。

 タッカーは、逃げる途中でジュエル(シシー・スペイセク)に出会います。タッカーは「僕の職業は銀行強盗だ」、ジュエルは「主人が亡くなったのでひとりで小さな牧場をやっている」とかでたちまち意気投合、老いらくの恋となります。

 刑事を辞めたいジョンが「黄昏ギャング」を捜査し、老ギャングの老いらくの恋が進行します。派手な銃撃戦もカーチェイスも情熱的な抱擁も無く(少しはある)、凝ったプロットも劇的な展開も、深刻な人間ドラマもありません。すべてがゆったりと流れ、歳をとるということはこう云うことなんだ、という映画です。で、退屈かというとそうでもなく、俳優の演技に支えられたこう云うドラマも有りです。

監督:デヴィッド・ロウリ
出演:ロバート・レッドフォード、ケイシー・アフレック、ダニー・グローヴァー、トム・ウェイツ、シシー・スペイセク

タグ:映画
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