日曜大工 ウッドデッキのラティス修理 [日記 (2024)]
10年経って見苦しくなったウッドデッキのラティスを修理しました。2枚あるのですが、1枚は腐食して修理不可。この手のものは木材の継ぎ目が腐食するので、再塗装して継ぎ目に塗料をたっぷり流し込みました、後5年は大丈夫?。
ラティスの設置で網戸を破ってしまい、昔修理した網の残りをテキトーに切ってテグスで貼り付け。家中の網戸が相当劣化しているので、今年辺り全面張り替えです。1日2枚、1周間はかかりそう。
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映画 追いつめられて(1987米) [日記 (2024)]
原題、no way outo=逃げ場の無い →邦題「追いつめられて」。ケビン・コスナーとジーン・ハックマンのサスペンスです。ミステリーには、最初に犯人が明かされ警察や探偵が犯人を追い詰めてゆく「倒叙もの」という分野があります。この映画も一種の「倒叙もの」です。
大統領の再選祝賀会で、海軍少佐のファレル(ケビン・コスナー)はスーザン(ショーン・ヤング)と出会い恋に落ちます。ファレルはペンタゴンに異動し国防長官ブライス(ジーン・ハックマン)の部下としてCIAとの連絡官となります。スーザンは実はブライスの愛人、ファレルは上司の愛人と関係を持ち、この三角関係の中で殺人が起きます。ブライスはスーザンの相手がファレルとは知らないわけですが。
ファレルとスーザンが密会中ブライスがスーザンの元を訪れ、ファレルは追い出されます。ブライスはスーザンの浮気を疑い、揉み合っているうちに誤ってスーザンを殺してしまいます。ブライスの告白を受け、プリチャード(ウィル・パットン)はブライスを護るためスーザンの部屋に行き証拠隠滅を図ります。プリチャードは、KGB諜報員ユーリが国防長官の愛人スーザンに近づき、痴情のもつれでスーザンを殺したという筋書きで事態の収集を図ろうとします。国防省のスパイ事件としてCID(犯罪操作司令部)に捜査を委ね、ファレルに指揮をとらせ、さらにユーリを暗殺して事件を闇に葬るため特殊部隊まで用意します。
ファレルは、事件の直前までスーザンの部屋にいた自身も疑われる可能性があり、CIDの一員として上司であるブライスの殺人を立証し、自分を護るという困難な立場に追い込まれたわけです。CIDは、スーザンに残された精液から血液型を割り出し、胃の内容物とカード履歴から当日の彼女の立ち寄り先を特定し(二人はデートしていた)、プリチャードが部屋で見つけたポラロイドカメラの失敗ネガを解析し犯人像に迫ります。このネガはスーザンがファレルを写したもので、ネガが解析されれば、ファレルに疑いがかかります。事件前日のデートの目撃証人も現れ、次第にファレルは「追いつめられて」ゆく辺りがこの映画の山場です。犯人がブライスであることは分かっていますから、犯人を暴くミステリーではなく、ファレルが殺人犯として「追いつめられて」ハラハラドキドキのサスペンスです。
ファレルはスーザンとブライスの関係を示す証拠を手に入れ、プリチャードは、命を張って護った上司に裏切られて自殺し、一件落着。但し、オチがあります、ナルホドw。
Amazon primeにあったので何となく観たのですが、思わぬ拾い物でした。恋人を殺された主人公が三角関係の相手を犯人として「追い詰め」、その相手が男が主人を殺人犯として「追い詰め」るという二重構造で、なかなか面白いです。『ブレードランナー』のレイチェル、ショーン・ヤングのセミヌードもありオススメですw。ケヴィン・コスナーは最近は話題になりませんが、いい映画が多く結構好きです。監督・脚本・製作・主演の西部劇『Horizon: An American Saga 』が2024年公開される様で楽しみです。
監督:ロジャー・ドナルドソン
出演:ケヴィン・コスナー、ジーン・ハックマン、ショーン・ヤング
当blogのケビン・コスナー
アンタッチャブル(1987)
追いつめられて(1987)・・・このページ
フィールド・オブ・ドリームス(1989)
ダンス・ウィズ・ウルブズ(1990)監督・製作
JFK(1991)
パーフェクト・ワールド(1993)
ワイアット・アープ(1994)製作
ウォーターワールド(1995)製作
13デイズ(2000)
ワイルド・レンジ 最後の銃撃(2003)監督・製作
タグ:映画
NHKドラマ 『舟を編む』(1) [日記 (2024)]
友人から勧められてNHKのドラマ『舟を編む』を観ています、なかなか面白い。映画『舟を編む』(原作は三浦しをん)は、辞書の編纂を背景に、主人公・馬締(マジメ=真面目)と馬締の下宿の娘で板前の香具矢のラブストーリーでした。ドラマの方は、華やかなファッション雑誌編集部から地味な辞書編部に異動して来た岸辺みどり(池田エライザ)を主人公に、語釈(語句の意味)などの編集と人間関係が絡む面白さ、岸辺みどりのビルドゥングスロマンです。
辞書など使ったこともないというドラマの方は、みどりは、毎月新刊を送り出す雑誌編集に比べ、一冊の出版に16年かける辞書編集と語釈に翻弄されます。
中型辞書『大渡海』編集主任の馬締(野田洋次郎)、馬締の下宿先の娘・香具矢、編集主幹の松本先生、馬締の前任者の嘱託・荒木など登場人物は概ね映画と同じです。ドラマの面白さは、みどりが辞書編集を(いい意味で)引っ掻き回す面白さと、彼女自身が成長してゆく面白さです。
語釈 恋愛
『大渡海』では、「恋愛」の語釈は「異性同士が互いに慕い合うこと」と予定されています。みどりは、多様性が尊重される今日恋は男と女の間に限らないと異議を唱えます。馬締は辞書の語釈には<典型的例>が必要だと反論します。例えば兎の<典型的例>は「耳と後ろ足が長く飛び跳ねる…」であり、『大渡海』には「耳が長い」という語釈が必須だと答えます。耳の短いウサギが辞書をひいて「ウサギは耳が長い」という語釈を見つけたとき傷つくというのです。そんな「舟」には乗りたくない、と。ウサギが辞書をひく!?、笑いますが、こうしたユーモアがこのドラマを面白くしています。
熟字訓 カツカレー
辞書編集部には月一でカツカレーの会があるそうです。社食で出るカツカレーを食べる会に過ぎません。荒木さんによると
カツはカツとしてカレーと出会い、カレーはカレーとしてカツと出会う。而して汝、汝としてカツカレーと出会う。
という事になり、松本先生はみどりに「熟字訓」の講義を始めます。「微風」はそよ風と読みますが、「微」一文字では「そよ」とは読みません。「微」は「風」と出会って初めて「そよかぜ」となります(紅葉、土産、今朝、昨日など)。
私は誰と出会って何になるんでしょう?
と、みどり。単なるアテ字だと思っていたのですが「熟字訓」というんですね。一つ賢くなりました。NHKらしいと言えばらしいですが、なかなか良くできた面白いドラマで。TVドラマなど観ないのですがこれはオススメです。BSなのでNHK+で見ることは不可、そのうち再放送やるでしょう。
原作:三浦しをん
出演:池田エライザ 野田洋次郎
タグ:映画
ゲイブ・ブラウン 土を育てる(2022NHK出版) [日記 (2024)]
副題は「自然をよみがえらせる土壌革命」。畑は耕すものと思っていたのですが、耕さない、土を起こさないという「不耕起栽培」という農法があるそうです。著者は、アメリカ、ノースダコタ州で2400万㎡の農園を経営する農園主です。平均3万㎡の日本の農家も2400万㎡の農園も、農業の原則は「土を育てる」ことにある、と言うのがブラウンさんの主張です。我が家の1坪の家庭菜園も同じ?というわけですw。
1991年、ブラウンさんは奥さんの父親から250万㎡の農場を引き継ぎます。4年間の赤字となり、肥料や農薬も買えず手探りでたどり着いたのが「不耕起農法」だったそうです。この「不耕起農法」によって20年余で農場は10倍に拡大したわけです。成功の源「不耕起農法」とは何か?と言うのが本書です。著者よると、土地を耕すと地中の微生物が減り土地が痩せるから耕さない方がいいそうです。クローバーなど数種類の”カバークロップ”を植えると、植物の根が土中の菌類などを育て土を肥えさせると言います。そう言えば昔は春になると田圃が一面レンゲ畑でした、アレです。園芸でもグランド・カバープランツというのがありますね。原理は、
植物は空気中から二酸化炭素を取り込み、水と結合させて単糖類をつくり出す。この光合成産物”と呼ばれる単糖類は、生命に欠かせない成分で、植物はこれらの糖類を多種多様な化合物に変容させる。 化合物の多くは植物自身の成長に使われるが、相当量は根の先端部(根端)に届けられ、“根滲出物”として地中に漏れ出していく。(p78)
この滲出物を地中の微生物が食べ、植物と微生物の共生が土を豊かにし通気性、保水性のある「土を育てる」というのです。「不耕起農法」とは土地をひとつの生態系として管理することだ言います。
これを勝手に解釈すると、庭の雑草をカバークロップと考えるとw、雑草が大きくなっても、「土を耕しているんだ、生態系だ」、と考えればいいわけです。草むしりをサボる口実に最適な本です。カバークロップの代わりにクローバー(シロツメクサ)でも植えてみようかw。
土の健康の5原則
- 土をかき乱さない →耕さない
- 土を覆う →雑草でもいい?
- 多様性を高める → 複数のカバークロップ
- 土の中に「生きた根」を保つ →草むしりしなくていい?
- 動物を組み込む →せいぜい小鳥か昆虫。害虫を食べてくれる?
タグ:読書
牛乳パックで握り寿司 ローストビーフ [日記 (2024)]
ローストビーフは何度か作っているのでマァ得意料理。これで寿司を作れば…とやってみました。握り寿司など作ったことがないので、牛乳パックで作った《シャリ型》を考えました。牛乳パックを半分に切り、残りの半分で仕切りを作ります。ここに酢飯を詰め、型から抜いて握れば均等な「シャリ」が出来ます。型を濡らして詰めると、楽に外せます(オリーブオイルもいいかも)。ローストビーフを乗せ、焼いた残りの油に酒と醤油を加えたタレを作りこれを塗れば完成。すし飯は酢と砂糖と塩をテキトーに混ぜてご飯に振りかけるだけのズボラ酢飯です。
結果は上々、自己満足。この《牛乳パックシャリ型》があれば簡単に均一の「握り」が出来ます。今回はシャリが少し大きすぎました、型に半分ほどの酢飯で十分です(または型を薄く作る)。ローストビーフはレアに焼いて薄く切る方が良さそうです。次回はトッピングにワサビかネギを用意します。
タグ:絵日記
自家製マーマレード 4回目 [日記 (2024)]
ステーキナイフが便利 真ん中の袋はペクチン抽出用の種
八朔の皮を使ったマーマレードです。マーマレードを作るために皮と実を煮ますが、苦味(ナリギン)を除くと香り(リモネン)が薄くなり、香りを残すと苦味も残ります →この兼ね合いが難しいです。苦味は皮の白い部分に含まれていると聞いたのでこれをステーキナイフでこそげ取り、荒いみじん切りにして1晩水に晒し(水は2〜3回交換)茹でこぼしを1回に減らしてみました。
でどうかと言うと、香りも残りましたが苦味も残りました。香りを残して苦味を除くことは無理みたいです。苦みのあるマーマレードも嫌いではないので(負け惜しみ)、これで良しとします。
タグ:絵日記
iPhone乗り換え 3ヶ月 [日記 (2024)]
年末にiPhoneXR(2018リリース)を貰って3ヶ月になり、12年使ったandroidからiPhoneに乗り換えた感想です。もっとも、使っていたandroidが中華品質のHuaweiですから比べても意味はありませんが…。
アプリ
長年androidを使ってきたわけですから、乗り換えたと言っても結局使い慣れたアプリを使うことになります。このテのものは、紙の手帳の代わりにPalm(電子手帳)でスケジュールとメモを使ったのが始まりで、スマホの出現でWindowsMobile→androidと使ってきました。ですからスケジュール管理、メモ(UpNote)中心で、辞書(EBPocket)や地図アプリが加わりましたが、これはiPhoneになっても同じです。iPhoneに乗り換えたところこれら常用アプリの精度が上がりました。画像をテキスト化するアプリ”一太郎pad”は読み取り精度が向上しました。便利なアプリはあるのでしょうが、個人的にはテキストの使い勝手が良ければそれで十分です。
iOS
HuaweiP20 Liteがandroid9で止まっているのに比べ、XRは最新の17.4.1までアップデート出来たのは立派(18は無理でしょうが)。XperiaではOSアップデートとバッテリーの消費を抑えるためrom焼きまでしましたが、iPhoneではそんな必要も無さそうです。
日本語入力
qwerty入力でSonyのPoboxを使って来たのですが、iPhoneのキーボードも使い易いです。[<]?[>]?キーはありませんが、長押しでルーペが開きカーソルが自由に移動出来ます。
カメラ
iPhoneXR huawei
カメラ
iPhoneXR huawei
ダイナミックレンジが広いので陰影に富んだ写真が得られます。F1.8、広角f28mmでラフに撮っても失敗が少なく、マクロも5?6cmまで可能で、画質は落ちますが拡大鏡も使えます。ファイルの形式がHEICですが、同じ写真の容量がjpgの40?50%だそうで、これもメモリ消費を抑える仕様で納得。iPhoneに替えたメリットはカメラに尽きます。
フェイスIDと言うのは初体験、なるほどこれは便利でフロントカメラの役割りが初めて分かりました、自撮りだけでは無いんですねw。
mac連携
appleですから当たり前にMacとの相性がいいです。先日ルーターが壊れnetに繋がらなくなったのですが、ホット・スポットを使いました。単なるテザリングですからandroid & Windowsでも出来ますが、Macはメニューバーから簡単にiPhone経由でnetに接続出来、スマート。AirDrop、電話機能、AirPlayといろいろ出来るわけです、AirDrop以外使いませんが…。
と言うことで、iPhoneに乗り換えて正解でした。但し、十数万円まで出してiPhoneを使う価値があるかどうかは疑問です。androidであればその半額で同じことが出来ますから。
ここまでのiPhone
タグ:iPhone
積読 中村真一郎 王朝文学論 (4) (1971新潮社) [日記 (2024)]
『源氏』以後
『源氏物語』はその後の日本文学の伝統を決定した。 まず、次の世代の文学者たちは、一斉にこの作品に刺激されて、物語の制作に熱中した。『狭衣物語』『夜半の寝覚』『とりかへばや物語』などは、それらの源氏亜流物語のなかの代表的なものである。(p259)
『源氏』は物語という文学形式を確立しただけではありません。その美意識は『新古今集』などの短歌、室町期の能楽、江戸時代の俳諧、西鶴から種彦に至る江戸の小説家たちにも影響を及ぼしていると言います。
自国語の散文の創始者たちが、ほとんど専ら女性たち、しかも一群の宮廷女性たちであるというのは、考えてみれば、随分奇妙なことで、他のどこの国の文学史にも、ちょっと類例がないではないかと思う。そのうえ、散文形式の創始者であった彼女らは、短い期間のあいだに、第一流の芸術品を作りあげることに成功したから、彼女らがその新しい散文に盛った内容ーー彼女らの感受性や彼女らの心理学や彼女らの抒情が、その後の日本文学の基礎となり、伝統となった。そこでわが国の文学は、一体に、非常に女性的だという結果になった。
十一世紀には、単にある社会階級の、ある職業の婦人たちの考え方、感じ方にすぎなかったものが、その後の十世紀のあいだに、代々の文学者たちに強い影響を与えつづけているうちに、今日では、ついに、日本人一般の考え方、感じ方そのものとなっている。少なくとも、その中心のひとつとなっている。(p166)
「日本人一般の考え方、感じ方そのものとなっている」かどうかは別にして、我々が抱く平安朝のイメージは、教科書で習う『源氏』『枕草子』『新古今集』などに記された華やかで繊細、優艶というか「もののあはれ」のイメージです。
それはあくまで、宮廷女性の眼に映じた、後宮的ヴェールを通した現実であって、彼女たちの作品に、女性たちの相手として登場する男性たち、政治の実権を握っていた貴族の男たちの生活が『源氏物語』そのままであったということにはならない。
これは貴族の後宮の女房たちの美意識であって男性の美意識ではないわけです。兼家は兄弟と政争を演じ、外孫を即位させるため陰謀をめぐらし(寛和の変)、道長も権力掌握のため兄道隆の嫡男・伊周を失脚させる骨肉の争い(長徳の変)を演じる男たちです。彼らも恋(色事)となると、女性の美意識に合わせて仮名文字で恋情の機微を歌に詠み女性に送るわけです。平安朝の男性がどんな文体で散文を書いていたかというと
「七日。甲寅。未時白雨。雷音大也。豊楽院外。幷西昭俊堂神落。有神火灰也。此後大雨。戌時天晴月明。亥時宮入給。依御物忌。御所上給。男女可然人々。被加一階」(道長『御堂関白記』)
敬語的表現は中国語には無縁で、結局、日本語を、漢文の文法を主として、送り仮名を廃して、漢字だけ並べて書き綴ったもので、そして、これが当時の男性の文章の普通の形だった わけである。これを書き下して、テニヲハを補って読めば、それが当時の文語体だということになるだろう。(p314)
これでは、仮名で自由に散文を綴る女性には勝てません。後宮の女性たちが日本の散文の創始者であり、彼女たちの美意識がその後の日本文化に色濃く影響を及ぼした、という話は説得力があります。この項お終い。
タグ:読書
積読 中村真一郎 王朝文学論 (3) (1971新潮社) [日記 (2024)]
『源氏物語』が書かれたのは、10世紀末〜11世紀初めの摂関政治の時代、藤原道長、一条帝の時代です。藤原兼家の娘詮子が一条天皇を生んだため、兼家は摂政関白となって政権を握ります。嫡男・道隆は娘定子を一条帝の後宮に送り込み定子は皇后、道長も娘彰子も中宮となります。道隆、道長ともに摂政となりますから、藤原氏(北家)が帝を擁して政治の実権を握ったことになります。文化的には、遣唐使が廃止となり「かな文字」が隆盛した「国風文化」の時代です。
一条帝の皇后定子、中宮彰子のサロンから『枕草子』『源氏』などが生み出された後宮文化、サロン文化の時代です。
日本の物語の先祖ともいうべき『竹取物語』も、紫式部に構想上の刺激を与えただろう。『竹取物語』は童話ふうの語り口のなかで、ひとりの女性を理想的な姿にまで高めている。『源氏物語』のなかでは、男の主人公源氏が、かなりかぐや姫に似た位置を持っている。そのうえ、『竹取物語』にも『伊勢物語』にも『宇津保物語』にも欠けたものがある。紫式部はそれを『蜻蛉日記』のなかに発見したに相違ない。
(p242)
(p242)
著者は、『源氏』が、『竹取物語』(”かぐや姫”を巡る求婚譚、伝奇物語)、『伊勢物語』(在原業平の恋の歌物語)、『宇津保物語』(漂流譚+求婚譚+貴族の政争)の延長線上にあるとした上で、『源氏』にはそれまでの物語には無い新しさがあると言います。紫式部はそれを『蜻蛉日記』から得たと言うのです。
『蜻蛉日記』は、道長の父で、政権を握った兼家の妻であった女性によって書かれた回想録である・・・それは淫靡で浮華な男女関係の物語ではなく、夫婦生活の困難さを、専ら心理的内面的に追求した、執拗で迫真的な記録である。
紫式部は『蜻蛉日記』に親しむうち、この内面的方法を物語に適用すれば、物語そのものも迫真性と深刻さを持つことができると思いついたのだろう。(p242)
紫式部は伝奇や荒唐無稽な恋物語を排し、光源氏(第1世代)、源氏の子・夕霧と頭中将の子・柏木(第2世代)、源氏の孫・匂宮と柏木の子・薫の3世代にわたる物語を書き、源氏、柏木、女三の宮の三角関係などの葛藤を持ち込み、六条御息所の様な妄執の女性を登場させるなど、人の心理の多様性を描いて見せたというのです。
そうして、最後に彼女は彼女自身の広い、また、深い体験をこの物語に投入しようとした。特に宮廷の社交生活は、多くの型の人物たちの生態を観察し、珍しい事件の裏面を知るには、最適の環境である。当時、『源氏物語』は宮廷人たちには、ゴシップ集としても、面白がられたことだろう。読者は自分や自分の恋人や恋敵などの言ったりしたりしたことが、意外なところにはめこまれているのを発見して苦笑したことだろう。(p242)
『源氏』の新しい帖が発表されると女房たちは先を争って読み、一条帝もそれを読むために彰子の屋敷を訪れたと言います。今日我々が小説に期待するものと同じ様なものです。道長は才媛の紫式部を娘彰子のサロンに入れ、『源氏』執筆のために当時貴重品だった紙を供給したといいます。後一条、後朱雀天皇が生まれていますから、道長の目論見は見事成功したわけです。
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無理やりWindows11にアップデート [日記 (2024)]
最近はmacばかりでWindowsの出番は余りありません。Windows10のサポート終了まで未だ1年以上ありますが、11にアップデートしました。現用のWindowsPCは2015年発売のDELL OptiPlex 3040(SSF)で、Core i3-6100、3.70GHz、メモリ8G、500GとWindows11の要件を満たしていません。Core i5 3330、メモリ16.0GBでWindows11が実用になっているという記事があったので、やってみました。レジストリを書き換える方法と、Windows11のインストールファイルを書き換える方法があるみたいですで、簡単な後者でやってみました。検索すると沢山ヒットします。一応、重要なファイルは事前に外付けHDDに退避しました。
- Windows11isoをダウンロード →何故かwindowsPCではエラーが出るのでMacでやりましたw。
- win11_23H2_japanese_x64v2.isoがダウンロードされる。
- isoファイルを開き、予め作ったフォルダに中身をコピー。
- isoファイルの“sources”フォルダにある“appraiserres.dll”をメモ帳で開く。
- 中身を全て選択(Ctrl+A)→削除 →上書き保存(Ctrl+S)。
- setup.exeを実行。
- ”個人用ファイルとアプリを引き継ぐ” にチェック。
- 更新プログラムのダウンロードが始まり(これに時間がかかる)、ダウンロードが終わるとインストールが始まります。何度か再起動がかかり…。
- 無事インストール完了。
あっけないほど簡単でした。データも残っているようですし、DVDの再生、写真の加工、Office等、サクサクとはいきませんが、今のところ普通に使えています。2015年のCore i3-6100、8Gですからまぁこんなものかも知れません。SSDに換装すれば後5年は延命できそうですw。そうそう、当たり前かも知れませんが、office2003が動いたのはビックリしました。
【追記】
レジストリもいじったのですが、ビデオキャプチャが出来ずWindows10に戻しました。10日以内なら不具合なく戻せる様です。
レジストリもいじったのですが、ビデオキャプチャが出来ずWindows10に戻しました。10日以内なら不具合なく戻せる様です。
タグ:パソコン