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映画 クワイエット・プレイス(2018米) [日記(2019)]

クワイエット・プレイス [AmazonDVDコレクション]  エイリアンの地球侵略ものです。少し変わっているのは、このエイリアンは視覚でも嗅覚でもなく(盲目)、発達した聴覚で獲物(すなわち人間)を狩るというエイリアン。人類は音をたてず声をひそめ地下室に籠もり滅亡の淵にあるという設定です。従って登場人物の会話は手話、映画はほぼサイレント。
 エイリアンものですが、描かれるのは「家族」です。叫ぶ呻く泣くという感情の原初的な表出が出来ず、言葉を奪われた中で家族はどうやって絆を結ぶのか?、これもテーマです。

 父母と三人の子供が物資調達の帰路、4歳の次男が玩具を鳴らしたためエイリアンに襲われ亡くなります。画面をかすめるように登場したエイリアンは、終盤でその姿を現すまで全貌は分からず、恐怖の源泉としてこの映画を支配し続けるという構図です。出るぞ出るぞでも出ない、という観客の想像力に訴えるホラーの常道を使い、音を立てれば、声を出せば襲われるという恐怖を、サイレントで増幅しようというのがこの映画のミソ。

 その恐怖が臨月の母親のエミリー・ブラントに凝縮されます。出産の苦痛で叫び声をあげればエイリアンが襲ってきます。赤ん坊が生まれれば、当然赤ん坊は泣き、エイリアンが襲ってきます。母親はどうやって出産し赤ん坊を守ったのか。答えは花火。父親は息子に花火をあげさせ、エイリアンを家から離れた場所に誘導し、その間に赤ん坊は無事産まれます。

 ネタバレ...。全編通じて「音」がキーワード。エイリアンは音を頼りに人間を襲うという習性を逆に使い、音を使ってエイリアンから逃れ、音でエイリアンを撃退します。聴覚の発達したエイリアンは、コウモリように人間の可聴範囲を超える音を発し、その反射で対象を識別しています。これに気づいた長女は、超音波を使って家に侵入したエイリアンを撃退し、母親はひるんだエイリアンを銃で撃ち殺します。銃声を聞きつけてエイリアンの群れが家に集まってくるシーンで、幕。to be continuedというわけです。

 なかなか良く出来た映画で、おすすめです。ヒットしたようで、キリアン・マーフィー、ジャイモン・フンスーを迎えて続編が2020年3月に公開されるようです。

監督:ジョン・クラシンスキー
出演:エミリー・ブラント ジョン・クラシンスキー ミリセント・シモンズ

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