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映画 イエスタデイ (2019英米) [日記 (2020)]

イエスタデイ 4K Ultra HD+ブルーレイ[4K ULTRA HD + Blu-ray]  ビートルズがいない(いなかった)世界の話です、つまりファンタジー。
 元中学校教師の売れないシンガーソングライター、ジャック(ヒメーシュ・パテル)の物語です。ジャックは、売れる日を目指してスパーマーケットでアルバイトをしながら、あちこちのイベントで修行中。髭面で遅刻の多いジャックは、このアルバイトもクビ寸前で、絵に書いたような落ちこぼれ。ジャックの歌を理解してくれるのは、幼馴染のエリー(リリー・ジェームズ)ただ一人。エリーは、教師をしながらマネージャー兼運転手をしてジャックを支えています。ジャックの友人は、”もうヤッタのか?”と下世話なツッコミをいれますが、あくまでも歌手とマネージャー関係。このインド系イギリス人と白人の中学校教師のコンビは、なかなか微笑ましいです。

 ジャックが自転車で車と衝突し、全世界が12秒間停電、目を覚ますと世界はビートルズが存在しない(存在しなかった)世界となります。パラレル・ワールド云々と考えてしまいますが、そういうのは無関係。要はビートルズです。退院したジャックが、新しいギターで”Yestaday”を弾き語りすると、友人たちは彼の「新作」を絶賛し、ビートルズの曲だと言うジャックに、「ビートルズって誰だ?」。netで検索してもビートルズはヒットせず、検索結果は「甲虫」。ジョン・レノンもポール・マッカートニーもヒットせず、世界からビートルズが消えてしまった!。何故か、ハリー・ポッターも、タバコも、コカコーラも消えてしまった!w。

 ジャックは次々にビートルズの曲を歌い、世間は絶賛。エド・シーラン(本人出演)がジャックの才能を評価し、ジャックはコンサートツアーの前座を務めるようになり、モスクワではBack in the U.S.S.R.を歌ってシーランを食ってしまいます。シーランが持ち時間10分間の作曲勝負を仕掛け、ジャックは”The Long And Winding Road”を披露し、シーランは「天才だ!」と兜を脱ぎます。
 という具合に、ビートルのヒット曲のオンパレード、音楽に疎い私でも知っている曲が次々に出て楽しめます。全曲ヒメーシュ・パテルが歌っているらしいです。

 ビートルズの曲を次々に復活させ、LAの大物プロデューサーが付いてジャックは大スターとなります。マネージャー兼運転手のエリーはどうしたかというと、スターのマネージャーより中学教師を選択します。売れないジャックは支えますが、大スターになったジャックに私は必要ない、というよりエリーは一向に振り向いてくれないジャックを諦めた、ということの様です。やっと自分の本心を探り当てたジャックは、リバプールでエリーと会い、いいところまで行きますがフラれます。フラれた後で歌うのが”Help!”。つまり、この映画は「ビートルズがいない世界」とラブストーリーの「二本立て」だったわけです。

 世界にビートルズを知っている人間は誰もいませんが、ジャックには盗作の後ろめたさがついて回ります。コンサートで「黄色い潜水艦」を掲げる聴衆がいて肝を冷やします。で、ビートルズを知っている人間は誰もいないのか?、実はふたりだけいたのです。このふたりが楽屋にジャックを訪ねジャックは観念。ふたりの口から出たのは非難ではなく、「ビートルズの歌の無い世界は耐えられない、ビートルズを復活させてくれてありがとう!」という感謝の言葉。

 ジャックはビートルズを歌い続けるのか?、エリーの愛を取り戻せるのか?。さぁどう決着を付けるのか?。

 お勧めです。そうそう、ビートルズを結成しなかった、従って暗殺されなかった78歳のジョン・レノンが登場します!。久々に”Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band”でも聴いてみようかと思います。
 監督のダニー・ボイルは、『28日後...』『スラムドッグ$ミリオネア』『127時間』のあのダニー・ボイルです。

監督:ダニー・ボイル
出演:ヒメーシュ・パテル、リリー・ジェームズ、ケイト・マッキノン、エド・シーラン

タグ:映画
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