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映画 特捜部Q 知りすぎたマルコ(2021デンマーク) [日記 (2022)]

特捜部Q 知りすぎたマルコ [DVD]
特捜部Q カルテ番号64 [DVD]  ストーリーはこちら(原作)をご参照。デンマークの作家ユッシ・エーズラ・オールスンの警察ミステリー『特措部Q』を原作とする映画です。原作は8本、映画化は5本と云う人気シリーズなんですが…という話です。

 冒頭、自殺者を説得する人物が登場します。誰だこのオッサンは?、実はこのオッサンがシリーズの主人公の刑事カール。相棒のアサドも秘書ローセも、出演者総入れ換えです。
 『特捜部Q』の魅力は、コペンハーゲン警察のハミダシ刑事カールと助手アサド、秘書ローセの3人の絶妙の絡みにあります。もちろん、デンマークならではの事件の社会性、現代性と謎解きのサスペンスも魅力なのですが、組織でX印付いた刑事とシリア移民の助手、解離性同一性障害の秘書というトリオの魅力です、特に原作では。
 
 カールは、奥さんが男を作って家出したバツイチ。捜査で重傷を負い、復帰すると新設の迷宮入り事件の捜査部門「特捜部Q」に飛ばされます。部下はシリア人のアサドひとりで、オマエは邪魔だから「特捜部Q」で遊んでいろと。アサドは、バイクから戦車まで扱える「兵士」、正式な刑事ではなさそう。ストリートチルドレンとして人物眼に鋭いマルコに、アサドはこう映ります。
 
この男には決してひとには明かせない秘密がある、とマルコは直感した。笑いじわ裏に鋭いナイフを隠し持っている。こんな男にはどんなスリも近づけない。この男には近づかないほうがいい。それだけは確かだ。(原作)
 
 唯我独尊で強引なカールに沈着冷静なアサドのコンビネーションが面白いわけです。ふたりに加わるのが秘書のローセ。黒づくめのパンクファッションに身を包み、情報収集と適確な推理で二人を助け事件を解決に導きます。面白いのが、時折、「双子の姉」に変身すること、つまり二重人格。

 前作までは、カールをニコライ・リー・コスが、アサドをファレス・ファレスが演じていました。ファレス・ファレスは、『ゼロ・ダーク・サーティ』でパキスタンの現地CIA局員を演じた印象的な俳優です。『チャイルド44 森に消えた子供たち』ではこのふたりが揃って登場しますから、『特捜部Q』フリークはニヤッとします。

 ところがカールとアサドの俳優が変わると、観ている方は???、ある日突然ヒロインが変わった朝ドラのようなものです。カール役のウルリク・トムセンは、実年齢でニコライより10歳年上でどう見てもオッサン。カールのムチャ振りが影を潜め重厚なベテラン刑事に変身しています。カールは女好きで(原作通り)映画でもマルコが収容された施設のセラピストを口説くのですが、どうも絵になっていません。アサドも普通のアラブ人、ましてローセは…。たぶん5本続いた映画は打ち切り?、第9巻出ないのでしょうか?。

原作と映画
1.檻の中の女映画、2.キジ殺し映画、3.Pからのメッセージ映画、4.カルテ番号64映画、5.知りすぎたマルコ(このページ)、6.吊された少女、7.自撮りする女たち、8.アサドの祈り

監督:マーチン・サントフリート
出演:ウルリク・トムセン、ザキ・ユーセフ、ソフィー・トルプ

タグ:映画
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