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Eos Kiss もう少し [日記 (2020)]

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                    おまけ

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ジョージ.R.R.マーティン 七王国の玉座 上 (2002早川書房) [日記 (2020)]

七王国の玉座〔改訂新版〕 (上) (氷と炎の歌1)ウェスタロス.jpg
ウェスタロス

ウェスタロスという架空の世界を治める「鉄の玉座」を巡って、七つの諸侯が戦うファンタジーです。人気のTVドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ 』の原作です。primeビデオで観ました、権謀詐術の渦巻くドラマは確かに面白い。原作のタイトルは『氷と炎の歌』。『七王国の玉座』、『王狼たちの戦旗』、『剣嵐の大地』、『乱鴉の饗宴』、『竜との舞踏』、『冬の狂風』の六部構成で(外伝まである)、『七王国の玉座』だけでも上下二巻、400ページに二段組で活字がビッシリ。これは読み応えがありそうです。岡部宏之の旧訳ですが、文章はこなれていて読みやすいです。それにしても、この表紙は何とかなりませんかね。

ウェスタロス
 七王国のあるウェスタロスは英国のような列島です。ウェスタロスの北には氷の(高さ200m、幅500kmの人工の壁)があり、壁の北に住む野人異形人から七王国を護っています。ウェスタロスの季節は長い夏と冬のふたつで、夏と冬は十年近く、時によっては数十年続くという異世界です。ウェスタロスの東にはブラーボス、ペントスなどの自由都市のある大陸エッソスがあります。北からの異族の侵入を防ぐ壁はハドリアヌスの長城を連想しますから、ウェスタロスとエッソスはイギリスとヨーロッパ大陸の近似と考えてよさそうです。
 ウィキペディアによると、物語りに登場するエダード・スタークはヨーク公、ティリオン・ラニスターはリチャード3世、 デーナリス・ターガリエンはヘンリー7世に相当するということです。つまり、中世ヨーロッパ(のような世界)を舞台に、諸侯の覇権を賭けた争いに騎士に魔女や異形の者、おまけにドラゴン(竜)まで登場する大スペクタクルです。『指輪物語』にも魔法使い、ドラゴン、オークが登場しますから似たようなものです。『指輪物語』が人間と悪魔が戦うファンタジーだったのと比べると、『氷と炎の歌』は登場人物たちの陰謀と詐術が渦巻くより人間臭いドラマとなっています。

 かつて、ウェスタロスの支配者はターガリエン家でしたが、ロバート・バラシオンとエダード・スタークがこれを滅ぼし、ロバートが新たな王となります。ウェスタロスは、バラシオン王朝の下にスターク、ラニスター、アリン、タリー、ティレル、グレイジョイ、マーテルの有力諸侯(七王国)が並立する連合王朝です。ロバートはラニスター家のサーセイ、エダードはタリー家のケイトリンと婚姻し、その勢力の均衡を図っています。戦国大名の政略結婚、ハプスブルグ家の結婚戦略みたいなものです、一方でウェスタロスの覇権を得るべく相手方を虎視眈々と狙っています。『国盗り物語』か中世イギリスの封建諸侯の世界です。この七王国に滅んだターガリエン家の王女が加わり、ウエスタロスの覇権を争う戦乱の物語です。
 数千ページにおよぶ大長編ですから地名と人物が数多く登場します。ウェスタロスの地図、家別の登場人物一覧がありしますから、適宜参照しないと混乱します。

七王国
 物語りは、長かった夏が終わり冬が訪れようという季節から始まります。ロバート・バラシオンの”王の手(宰相)”が死に、ロバートは北部総督エダード・スタークを新たな宰相に任命すべく王妃以下を引き連れスターク家の居城ウィンターフェルを訪れます。この訪問で、主人公となるバラシオン家、スターク家の人々があらかた紹介されます。
 『七王国の玉座(上)』は、スターク家の当主エダード、妻ケイトリン、長女サンサ、次女アリア、次男ブランドン、それにエダードの庶子ジョン・スノウ、ラニスター家の次男ティリオン、滅んだターガリエン家の王女デーナリスの視線で構成されています。この時点で、デーナリスは東の大陸エッソスにいますから、七王国に関わってくるのは後の話。ロバートの王妃サーセイ(ラニスター家)、王位継承者ジョフリー、サーセイの双子の弟でロバートの騎士であるジェイム・ラニスターも登場しますが、これも絡んで来るのは後の話です。

ターガリエン家
 エッソスに逃れていたターガリエン家の王子ヴァイサリスは、妹デーナリスを騎馬族・ドスラク人の族長に売り、ドスラク人の兵を使ってウェスタロスに攻め入ってターガリエン家再興を目論んでいます。ターガリエン家はドラゴンの血を引く家系で、ドラゴン登場の伏線となります。ウェスタロスの七王国とその東にあるターガリエン家という基本的な構図が出来上がります。
スターク家、ラニスター家
 ロバート王の訪問で事件が起きます。サーセイとジェイム・ラニスターの密会(つまり近親相姦)を目撃したブランドン・スタークは、ジェイムに突き落とされて意識不明となり、さらに口封じのため刺客に襲われます。エダードは、宰相となるためサンサ、アリアを連れて王都キングスランディングに向かい、庶子ジョンは”壁”を守る夜警団(ナイツウォッチ)に入団するためスターク家を去ります。野生人、異形の者からウェスタロスを守るナイツウォッチは、世俗の欲望を捨てて壁を守る”防人”です。実態は、ナイツウォッチに入ればすべての罪は免除されるため、七王国に居られなくなった人や元犯罪者の集団。七王国に加え、物語にナイツウォッチ、野生人、異形の者という存在が加わります。
 ケイトリンは王都に夫エダードを訪ね、刺客の持っていた短剣がティリオンのものと分かり、テリィオンを捕虜にしたためラニスター家とスターク家の確執が表面化します。
 王都に行き宰相となったエダードは、前任の宰相の死は暗殺ではないかと疑い、エダードの宰相を喜ばない勢力はエダード排除に動き出します。大蔵大臣にして娼館の主ベーリッシュ公、宦官でスパイの親玉のヴェリースが登場し、前宰相の死の謎、ブランドンに放たれた刺客の謎、謎が謎を呼んで七王国の玉座をめぐる争いは混沌を深めてゆきます。

タグ:読書
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Eos Kiss 鶯だったら よかったのに [日記 (2020)]

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鶯ならぬメジロ
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ツグミ                 ジョウビタキ
Eos kiss X5+250mm

タグ:絵日記
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一太郎Pad [日記 (2020)]

Screenshot_20200208_093748_com.android.vending.jpg Screenshot_20200208_093751_com.android.vending.jpg 一太郎Pad
 ジャストシステムの”画像→テキスト変換”アプリです。同社の製品を使うのは久々で、一太郎、ATOK以来です。早速試してみました。使い方はいたって簡単、カメラで撮るかスマホ内の写真を読み込むだけです。テキスト化されたファイルをメモ帳(私の場合はevernote)にコピーでき、クラウドに転送すれば利用範囲が広がります。もちろんbluetoothでPCにも転送できます。

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ハードカバー『ロシアについて』 画像 →一太郎Pad →メモ帳

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文庫『死の記憶』 画像 →一太郎Pad →Evernote

 ハードカバーも文庫もほぼテキスト化出来ます。二段組の本、PDF、新聞は、必要な部分だけトリミングする必要があります。で”一太郎Pad”は使えるのかどうか?。メモであれば写真に撮れば済みますから、わざわざテキスト変換する必要はなさそうですし、誤変換も懸念されますから写真の方が安心。一太郎Padの活用シーンを考えると、レポートや報告書などまとまった文章に引用、挿入する文言の「採取」ということになると思います(入力するより簡単)。ビジネスマン、学生には便利かも知れません。読書中にこれは使えるといった文章出会った時、手軽に写真を撮って後でレポートや報告書、あるいはメモにコピーすればいいわけです(検証は必要ですが)。夏休みの読書感想文作成にも力を発揮しそうです。

 引用ばかりの当blogの場合これは心強いツールになりそうです。本から引用する場合、手打ちするか、スキャンしてPDFでPCに取り込んでいましたが、これがスマホで完結するわけです。Kindleの場合、ハイライトで書き抜きができますが、一太郎Padを使えばスマホを使ってこれと似たようなことができます。できますが、かなり面倒。いずれにしろ、テキスト愛好者用のアプリです。

【追記】
 2週間ほど使いましたが、けっこう便利。アプリからカメラを起動するより、カメラで撮ってアプリから画像を呼び出したほうが使い勝手がいいです。一太郎pad →テキスト変換 →コピペと使っていますが、PCを使う時はEvernoteに転送したほうが便利。変換の精度ですが、画像にもよるでしょうがそこそこ正確。
句 →何、蛙 →鮭など文字化けはありますから、要確認です。
 本からの書抜には十分使えます。

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司馬遼太郎 坂の上の雲 ⑥ 日本海海戦 無線電信 [日記 (2020)]

坂の上の雲 <新装版> 六三笠.jpg
戦艦 三笠

続きです

無線電
 当然モールス信号です。モールス符号が国際的用いられるのは1868年、マルコーニが大西洋横断無線通信に成功したのは1901年ですから、技術の伝播は実に速いものです。1904年の連合艦隊には木村駿吉によって開発された三六式無線機が積まれています。バルチック艦隊には通信距離700マイル世界一のマルコーニ製無線が搭載されていたようです。

(戦艦)三笠には、その弾薬庫にある下瀬火薬とともに、もっとも誇るべきものとして三六式無線通信機が、後部シェルターデッキの下に備えられていた。
秋山真之が、戦後すぐ、この無線機の発明者である木村駿吉博士へお礼の電報を打ち、あとあとまで、
「通信戦に関するかぎり、日本海軍のひとり舞台だった」
と語っていたほどに、その性能がすぐれていた。この日露戦争の前、日本海軍が無線の実用化のために払った苦心と努力は凄まじいほどのもので、日本は作戦と艦隊運動の優越をもってロシアに対抗する以外になく、それを実際の海上で可能にするのは、優秀な無線機であった。

 当時、真空管は発明されたばかりで実用になっていませんから、三六式無線機は、誘導コイルを使った火花式送信機とコヒーラ検波器の受信機と印字機から成る送信出力600W、到達距離1000kmの無線機です。火花ですから周波数もなにもあったものでは無く、図を見る限り周波数を決定する同調回路もありません。どうやって各艦からの電波を区分したのか不思議です(アンテナの長さで周波数を区分したという記述が何処かにあったと思います)。
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 巡洋艦以上の船にはこの三六式無線機が積まれていたようですから、信濃丸がバルチック艦隊を発見し「敵艦見ユ」と打電したのはこの無線機です。5月27日午前2時45分、信濃丸は、五島列島の小島・白瀬付近の海域でバルチック艦隊に遭遇し、三笠に打電します。巡洋艦・和泉がそれを引き継ぎ、バルチック艦隊の進路、編成を打電し、聯合艦隊は敵と遭遇する前にその全貌を知ります。和泉は、艦隊全船の煙突が黄色に塗られていることも伝え、砲撃の格好の目標となります。

 信濃丸が発した「敵艦見ゆ」の無電は、対馬に停泊中の第三艦隊旗艦厳島から鎮海湾の三笠あて、午前五時五分に中継打電された。
 すでに暗号が決められている。の字を続けざまに七度打つのである。
「タタタ、タタタタ」
この早暁、鎮海湾から加徳水道にかけて錨をおろしているあらゆる軍艦の無線機が、いっせいに鳴った。

 交信にはモールス符号が使われたはずですから、「タ」はモールス信号では-・。-・という符号が7回繰り返されたことになります。真珠湾奇襲の際に使われた「ワレ奇襲ニ成功セリ」という暗号は「トラトラトラ」ですから「・・―・・ ・・・」。
 面白いのは、バルチック艦隊も信濃丸を発見しこの無電を受信しているにも関わらず、妨害電波も発射せず砲撃もしていないことです。

 この物語の主人公であり日本海海戦の演出者である参謀・秋山真之は、バルチック艦隊は対馬海峡を通るのか、太平洋から津軽海峡を通るのか、に悩みに悩み続け対馬海峡を選択します。聯合艦隊司令部にとって、この「敵艦見ユ」の無電がどれほど劇的であったか。戦端を開くにあたり、勇躍、大本営に打電します。

敵艦見ユトノ警報ニ接シ、聯合艦隊ハ直ニ出動、之ヲ撃滅戦セントス
秋山真之はこの一文に、有名な
本日天気晴朗ナレドモ浪高シ
を加えます。秋山は、Z旗の信号文、「聯合艦隊解散の訓示」など後世に伝わる名文を遺しています。大悪予備門で一時は正岡子規と文学を志していますから、平明にして格調高い文章はその時代に培われたと思われます。

祖国防衛戦争
 日本海海戦は聯合艦隊の歴史的な大勝利に終わり、アメリカの仲裁で日露戦争は集結します。満州の日本陸軍は、奉天会戦でかろうじて勝利しますが、兵員、弾薬の欠乏からロシア軍を追撃できず、おまけに国庫はから同然で、日本はこれ以上日露戦争を継続できない状況。このまま戦争を続ければ敗北という崖っぷちにあります。ロシアは、ナポレオン、ナチス・ドイツの侵攻でも、次々に戦線を後退させ敵の戦線が伸び切った時に反攻に転じ勝利をつかむという戦術を得意としていますから、南山・金州、黒溝台、奉天の勝利は果たして勝利だったのかどうか。ポーツマスの講和会議でも、ロシアは賠償金の支払いを拒否しますから、負けたとは考えていなかったようです。日本海会戦の敗戦で、ロシアはたっとアメリカの仲裁を受け入れます。

 (日本海)海戦において日本側がやぶれた場合の結果の想像ばかりは一種類しかない。・・・
まず満州において善戦しつつもしかし結果においては戦力を衰耗させつつある日本陸軍が、一挙に孤軍の運命におちいり、半年を経ずして全滅するであろうということである。
 当然、日本国は降伏する。・・・おそらく列強の均衡力学を利用してかならずしも全土がロシア領にならないにしても、最小限に考えて対馬島と艦隊基地の佐世保はロシアの租借地になり、そして北海 道全土と千島列島はロシア領になるであろう。・・・

 むろん、東アジアの歴史も、その後とはちがったものになったにちがいない。満州は、すでに開戦前にロシアが事実上居すわってしまった現実がそのまま国際的に承認され、また李朝鮮もほとんどロシアの属邦になり、すくなくとも朝鮮の宗主国が中国からロシアに変わったに相違なく、さらにいえば早くからロシアが目をつけていた馬山港のほかに、元山港や釜山港も租借地になり、 また仁川付近にロシア総督府が出現したであろうという想像を制御できるような材料はほとんどないのである。

 これも歴史の”if”ですが、作者が日露戦争を祖国防衛戦争と呼ぶ所以です。妄想と笑って済ますわけにはいきません。明治38年、日本は綱渡りの末、亡国の崖っぷちで踏みとどまったのです。

 ポーツマス条約によって、朝鮮半島に於ける日本の優越権が認められ、日露両国の軍隊は満州から撤退し、樺太の北緯50度以南の領土を獲得します。さらに、ロシアは東清鉄道の南満洲支線と、付属地の炭鉱の租借権、関東州(旅順・大連を含む遼東半島南端部)の租借権を日本へ譲渡します。
 韓国は、第二次日韓協約によって外交権を失い、首都漢城(ソウル)に日本の統監府が置かれ、日本の保護国となって1910年の「日韓併合」と至ります。満州の鉄道と付属地、旅順・大連の租借権は、後の「満州帝国」の祖型となります。

 司馬遼太郎は、日韓併合と満州帝国についての小説は書いていません。残念なことです。

タグ:読書
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HUAWEI P20 Liteを半年使用 [日記 (2020)]

HUAWEI P20 Lite クラインブルー 【日本正規代理店品】 P20 lite/Klein Blue  久々にスマホネタ。スマートフォンをHUAWEI P20 Liteに替えて半年使ってきました。アメリカが排除するHUAWEIですから問題あり?、iPhoneを使う家族からはナニソレ!と言われていますが、なかなかコストパフォーマンスに優れたスマホです。Android9(10は対象外らしい)、オクタコア2.36GHz、メモリ4G、ディスプレイも5.8インチ2280x1080、カメラも1600万画素とまあまあで、贅沢を言わなければ実用度は必要にして十分。カメラは、Wレンズ、inカメラ1600万画素とこのレベルの機種としては力が入っています。いま買うならワンランク上の”P30 pro”でしょう。

 改造というほどのことはありませんが、あれこれ手を加えました。
nanoSIM
 →交換費用が2千円かかるので、それまで使っていたMicroSIMをカッターナイフでカットして流用。意外と簡単でした。
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保護フィルム
 →百均のiPhoneX保護フィルムが使えます。
ストラップ
 →ストラップが無いと不安で、スピーカーの穴に通しました。半年使うと紐が擦り切れ、この辺りが難です。
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POBox 5.4
 →日本語変換はwnnですが、使い慣れたXperiaのPOBoxを導入。入力は快適です。
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アプリ
 →google chrome、Line、Evernote、みおダイヤル、EBPocket、地図ロイド、山旅ロガー、radiko。後はデフォルトで用が足ります。simフリー版なので、邪魔なアプリも許せる範囲でroot取るまでもないです。
Screenshot_20190703-164112.jpg Screenshot_20190704_070706_com.android.settings.jpg←android9です
カメラ
 →マニュアル撮影(水準器、測光、ISO、シャッタースピード、露出補正、マニュアル,AF切り替え、ホワイトバランス)ができRAW保存が可能と、デジカメ感覚で楽しめます。マクロもok、Wレンズで"ボケ"も出ます。望遠が必要な場合を除きデジカメの出番は無くなりました。但し、AFがやや甘く暗い場所は弱いです。
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GPS
 →衛星の補足も速く、マップの現在地も正確です。地図ロイドと山旅ロガーで、ウォーキングに活躍しています。
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バッテリ
 →300mAhで、chrome、Line、Evernoteを使う程度であれば2日は十分保ちます。もっとも日本語入力を多用すると1日でアウトです。
動画
 →当たり前ですがPrimeビデオが楽しめます。P20Liteで撮った動画を圧縮し、プリインストールのビデオで観ていますが快適。
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 本体はIIJのセールで12,800円と格安、MVNOとWiFiで通信費は2000円以下(電話はほとんど使わない)、カメラ機能も充実、コストパフォーマンス充分なスマホです。5Gが普及するまでは使えます。
 但し、HUAWEI独自のアプリを使うと端末の情報を吸い上げられようなので(利用規約)、使わないようにしています。

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司馬遼太郎 坂の上の雲 ⑤ 日本海海戦 Z旗 [日記 (2020)]

坂の上の雲 全8巻セット (新装版) (文春文庫)  本書に登場する日露戦争当時(1904~5年)の通信を拾ってみると、陸上では伝令、命令書、電話。海上では信号旗、手旗信号、発光信号光無線(電信)です。陸戦での電話というのは有線だと思われます。司令部と前線の部隊を有線でつないでいたのでしょう。司馬遼さんはこの辺りに興味がないのか、司令部の児玉源太郎が前線司令部の参謀を電話で叱った、という程度の表現です。東京の参謀本部とも連絡をとっていますが、「電報」というだけで詳細は不明。艦船に積まれていた無線機が満州の司令部にあったのか、最寄り?の無線局まで電文を持参したのかどうか。

信号旗
 船どうしの信号旗は度々登場します。マスト旗を掲げる通信で、「石炭が無くなった」という簡単なものから、例えばバルチック艦隊がベトナムのヴァン・フォン湾を対馬海峡に向けて出航する際に、

(バルチック艦隊司令官ロジェストウェンスキー)はこの喜びをあらわすために全艦に対し、難解な信号をかかげている。
「神は、我々の精神を強化したまい、かつてなきこの大遠征を克服するための力を貸し給うた。神は我々をして皇帝の希望を果たさしめ、さらに祖国の恥辱を血をもって洗い清めるための力を与え給うた」

 信号旗でこんな文章まで表現できるのかどうか。東郷平八郎が日本海会戦で掲げたのはZ旗。これにつては、

艦隊の各艦とも信号書を持っている。その信号書に、この出動の数日前、四色のZ旗一旒が掲げられた場合の信号文が、エンピツ文字で書き込まれていた。その文章については各艦の航海長か航海士が知っている程度で、艦隊のだれもが知らない。・・・四色の旗はやがて飄風のなかに舞い上がった。
皇国ノ興廃此ノ一戦ニ在リ、各員一層奮励努力セヨ
各艦とも、この信号文がすぐさま肉声にかわり、各部署の伝声管を通じて全員の耳に伝わった

これでロジェストウェンスキーの旗の謎が解けました。ちなみにトラファルガーの海戦で掲げられた旗の意味は「英国は各員がその義務を尽くすことを期待する」だそうです。
1024px-Zulu_flag.svg.jpg J_M_W_Turner-La_bataile_de_Trafalgar.jpg
 検索すると、国際信号旗(旗旒信号)にはアルファベット文字旗(26種)、数字旗(10種)、代表旗(3種)、回答旗(1種)の計40種があるそうで、
 ・文字旗にはそれぞれ意味が込められており、例えばAは「本船で潜水夫が活動中、徐速して通過せよ」。
 ・1字信号には、数字を伴って使用する補足的な用法がある。例えばAは方位角または方位。
 ・2字信号は、 “C”“B”の順に並べて掲げると「至急救援を求める
 ・3字信号もあり、「UW」に“1”を追加して掲げると「協力に感謝する
補足用法とアルファベットで大抵の通信が可能なようです。なかなか奥が深いです。
 例えばバルチック艦隊第三戦艦隊のネボガドフが降伏した時には、X/G/Eの三枚の信号旗が掲げられます、「ワレ降伏ス」。

 「敵艦見ユ」の報を受け、聯合艦隊が出航します。出港命令は信号旗です、

これら各艦への命令伝達に無電は使われず、総て旗旒信号が用いられた。伝達は艦隊から戦隊へ、戦隊から単艦へと伝わってゆく。
信号長は、三笠の船橋の旗甲板に立っている。きらきらと綴られてゆく旗の言葉に対し、これを受ける各艦は、応旗(アンサー)を半分だけあげ、やがて三笠がことごとく言い終わると、各艦は応旗をいっぱいにあげ、了解をしたことを返答した。

信号旗が使われる様子がよく分かります。

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司馬遼太郎 坂の上の雲 ④--祖国防衛戦争 (1969、2004文藝春秋) [日記 (2020)]

坂の上の雲 <新装版> 五 続きです
 この辺りから始まって「日韓併合」に至る歴史に興味が湧き、『坂の上の雲』を読んでいます。明治政府にとって韓半島進出は南下するロシアへの恐怖だったようです。

専制国家
 綱渡りのような日露戦争を見てきましたが、本書では日本の勝利を予測した人物がふたり登場します。米大統領セオドア・ルーズベルトは、「専制国家は滅びる」と日本の勝利を予測し、日露戦争のイギリス観戦武官イアン・ハミルトン中将は、ボーア戦争を戦った経験から侵略戦争はロシアの敗北で終わることを予見します。
 この「専制」が日露戦争に影を落とします。誰も皇帝の意に逆らえないわけですから、ロシアの軍人(官僚)は、戦況よりも皇帝(宮廷)の方を向いて行動をするわけです。おまけに、皇后アレクサンドラはニコライ二世に強い影響力を持っているため、皇帝だけではなく宮廷の方も気にしないといけないことになります。例のラスプーチンを重用した皇妃です。高宗と閔妃の関係によく似ています。
 ロシア陸軍の司令官クロパトキンが南山会戦で日本軍に敗れたため、ニコライ二世はロシア軍を二つに分け、グリッペンベルグを第二軍司令官として満州に派遣します。クロパトキンは、総司令官から第一軍司令官に落とされます。黒溝台会戦で、第二軍が黒溝台を攻め、その隙きに第一軍が正面を突破する作戦だったのですが、勝てばグリッペンベルグの手柄となるため、クロパトキンは正面突破をせずみすみす勝利を逃します。

このことは普通の国家にあっては信じがたい理由であったが、しかしながら専制国家の官僚というのは、国家へもたらす利益よりも自分の官僚的立場についての配慮のみで自分の行動を決定する。
--専制国家はかならず負ける
と予言したアメリカ合衆国大統領セオドア・ルーズベルトの見通しには、こういう点もむろん計算されていた。

 ということです。日本海海戦のために、バルチック艦隊(第二大平洋艦隊)に一万八千海里も航海させる作戦もしかり。バルチック艦隊援助のために老朽艦を集めて第三大平洋艦隊を編成しますが、これもしかり。速度の遅い第三艦隊はバルチック艦隊の足手まといとなるだけで、作戦に支障をきたします。バルチック艦隊は第三艦隊と合流するためマダガスカル島で三ヶ月の足止めをくらい、日本海軍に時間的余裕を与えたことになります。

 もう一つが、後にロシア革命を生む社会不安。ニコライ二世の父アレクサンドル二世は反体制テロ組織(人民の意思)によって暗殺され、後継のアレクサンドル三世も列車を爆破されるテロに遭い、日露戦争の最中に「血の日曜日事件」が起こり、日露戦争を始めたニコライ二世も二月革命の後処刑されます。当時のロシアでは、革命団体による反政府運動、テロ、労働者によるストライキが頻発し、政情は不安定。映画で有名な「戦艦ポチョムキンの叛乱」もこの頃です。専制の綻びが帝国各所に現れ、領土拡張主義で飲み込んだポーランド、フィンランドでも反ロシアの運動が起こります。1917年に二月革命が起こりロマノフ王朝は倒れますから、1904年~5年はまさに革命前夜だったことになります。

明石元二郎
 児玉源太郎はこのロシアの政情不安に目を付け、戦争の早期終了のためにロシアを内部から揺さぶろうと考え、駐露武官の明石元二郎に100万円の資金を渡し反ロシア運動の支援を命じます。日本の国家予算が2億5千万円ですから、とうほうもない活動資金です。
 日露戦争が起こり駐ロシア公使館はストックホルムに移り、明石はヨーロッパからロシア国内、フィンランド、ポーランドの反ロシア勢力を糾合し、ロマノフ王朝の屋台骨に揺さぶりをかけます。明石は、フィンランドのシリヤクスを始め、スウェーデン、ポーランドの反ロシア運動の組織を集めロシア皇帝を共通の敵としてパリ会議を開催します(レーニンは参加しなかったようですが、接触はあった)。諜報の世界ですから総ては闇の中、100万円の資金が反ロシアのためにバラまかれ、テロ、ストライキ、デモの活動資金になったことでしょう。明石はこの資金を使って、スイスから2万5千挺の小銃と銃弾4百万発を調達し、運搬のために汽船まで購入しています。

 明石の危機感を作者はこう書きます。日露戦争で負ければ日本はどうなるか?

 朝鮮半島は、ロシアの領土になるだろう。日本は属邦になることは間違いない。
ロシア帝国はその威容を示すために、ヘルシンキでやったと同様、壮大な総督官邸を東京に建てるだろう。・・・横須賀港と佐世保港に一大軍港を建設するに違いない。
 憲法は停止し、国会議事堂を高等警察本部にするに相違無く、さらに幕末以来、ロシアが欲しがった対馬を日本海の玄関の護りにすべく大要塞を築き、島内に政治犯の監獄を作るであろう。銃殺刑の執行所をもうけるであろう。
 今ひとつ、東京には壮麗な建物ができるにちがいない。ロシア帝国は、その国教であるギリシャ正教をその軍隊同様、専制の重要な道具にしており、現にヘルシンキの中央広場にはこの異教の大殿堂が造られているように、日比谷公園には東洋一の壮麗な伽藍を造るであろう。

 明石の妄想を借りた歴史の”if”ですが、あり得たかも知れない妄想であり、日本国の中枢を担う人々の恐怖です。この恐怖の元に日露戦争(作者によると”祖国防衛戦争”)が起こされたといってもいいでしょう。

 日露戦争の資金は外債によって賄われますが、大国ロシアと戦争する東洋の小国・日本の外債は、日英同盟を結んだイギリス、「専制国家は滅びる」と日本の勝利を予測したルーズベルトのアメリカさえ引き受けません。これを引き受けたのが、ユダヤ人の実業家ヤコ・ブシフ(ジェイコブ・シフ)。ブシフもまた、ユダヤ人を迫害するロシアを共通の敵とする日本に味方したわけです。

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木内昇 万波を翔る ② (2019日経出版) [日記 (2020)]

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続きです。
横浜鎖港問題
 1864年、長州藩がフランス船を砲撃した賠償問題と横浜鎖港のため、池田長発を長とする遣欧使節がフランスに派遣され、田辺太一も随員に選ばれます。横浜鎖港は、朝廷の攘夷圧力をかわすポーズに過ぎず、問題の引き伸ばし。太一は外国方とし鎖港に反対であり、そもそも列強の開港圧力を跳ね返せるはずもない。小手先の外交の片棒を担ぐなど太一にとっては意に反した仕事です。使節団の弱点が池田にあると見たフランスは、太一等事務方を切り離し池田を籠絡して交渉を纏めてしまいます。目的の横浜鎖港は潰え、輸入品の関税率の引き下げというおまけまで付き失敗(パリ協定)。帰国した池田は蟄居させられ、太一も免職、閉門の憂き目に会います。幕府はこのパリ協定の批准を拒否しますから、何のための遣欧使節だったんでしょうねぇ。この遣欧使節は、途上エジプトを訪れ、スフィンクスを背景にした有名な写真(スフィンクスと34人のサムライ)を遺しています。後世にとってみれば、この写真が最大の成果です。

パリ万博
 幕府は1867年のパリ万博に出展するという挙に出、太一は渡仏します。国内を治めきれず屋台骨の揺らいだ幕府は、幕府こそ日本の正統な政府であるということを世界に示したかったわけです。ところが伏兵が現れます。薩摩は、秘密留学生でであった五代友厚と仏貴族モンブランを使い、「日本薩摩琉球国太守政府」の国名で参加(佐賀藩も)します。日本国は藩の集合国家であり、政府を自称する幕府もまた一つの藩に過ぎないことを世界に向けて喧伝したことになります。面目を潰された太一は失地回復に努めますが、敗退。パリ万博では、幕府、薩摩藩、佐賀藩の三つ「政府」が並立して出展したことになります。これひとつ取ってみても、西国雄藩をコントロールできない幕府の凋落が見えてきます。余談ですが、このパリ万博が景気となって、ヨーロッパに「ジャポニスム」が起こり、印象派の絵画に影響を与えます。
 失意で帰国した太一を待っていたのは「大政奉還」です。幕府外国方としてパリに行き、帰って見れば肝心の幕府は無くなっていたのです。出張から帰ったら会社がなくなっていた、という身につまされる話。

宮仕え
 部屋住みの冷や飯食いに生まれた太一は、外国方「書物方」から調役となり、小笠原諸島に行き、意に染まぬ仕事とはいえ二度もヨーロッパの地を踏みます。幕府崩壊後も新政府の外務省大書記官、元老院議官になって85歳で没しますから、これはこれで完結した人生だったわけでしょう。

 田辺太一は、時代にこれと言った足跡を遺したわけでもなく、幕府の外交を支えたわけでもなく、維新前夜という時代の嵐に翻弄された幕府の役人に過ぎません。主人公にするなら、本書にも登場する福地源一郎(桜痴)、小栗忠順、ちょっと斜めから水野忠徳などの方が面白いと思うのですが...。

 幕末の外交、経済小説というには、少し物足りません。富岡平三(架空人物)という小役人然とした外国方の同僚が登場し、奉行にもずけずけものを言う田辺太一と対照をなしています。太一がパリ博覧会の随員に自分を売り込んだ際の二人の会話、
平三、
わしにはな、上役になにも言われておらぬうちから自制する癖がついておるのよ。このようなことを言えば叱責されよう、疎んじられよう、下手をすればお役御免となるやもしれん、と常に怯えておるのじゃ。外国局に入れられてから、御奉行が閣内の諍いによって不当な左遷の憂き目に遭うのをまざまざと見せつけられて、いつしか、息を潜めて仕事をするようになってしもうたかもしれん。
太一、
俺はもともと考え無しだからね。すぐに本音が口に出ちまうのだ。ことに御奉行の左遷を多く見てからは、岩瀬様や水野様のような能吏でも些細なことでお役御免となるなら、俺なぞ、いつ役目を外されてもおかしくねぇ。ならば役目にありつけているうちに、好きなことを存分にしようと思ったのよ。鎖港談判ってぇ意に染まぬ役目を担ってからはいっそう、その気持が強くなったのさ。

 政争によって上司が次々と左遷されるなか、組織人としてどう身を処すればいいのか、「出る杭」となるかどうかという話です。幕末の外交を舞台に、小市民、小役人を描いたサラリーマン小説としても読めます。
 木内 昇は面白いので読んできたのですが、今回は少し勝手が違いました。


当blogの木内 昇
 櫛挽道守(2013年 集英社)
 漂砂のうたう(2010集英社)
 地虫鳴く 新選組 裏表録(2010集英社)
 茗荷谷の猫(2008平凡社)
 笑い三年、泣き三月(2011文藝春秋)
 新選組幕末の青嵐(2009年 集英社文庫)

タグ:読書
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