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ヘビイチゴは食べられる? [日記 (2021)]

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 庭のヘビイチゴ           黄色い花でこれは食べてもマズイ

【LINEの会話】
 ・ヘビイチゴは食べられる?
 ・毒ではないがマズイよ。

  ーーーしばらく経ってーーー

 ・うちの近くになってるヘビイチゴはシロバナヘビイチゴって種類で、甘い!。
  ジャムにしたらすごい美味しくて、次の休みにもまた採りに行きます。

 →ステイホームだといろいろあるようですw。
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タグ:絵日記
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李成市、宮嶋博史『朝鮮史 2』⑤ 日韓併合(1) (2017山川出版) [日記 (2021)]

朝鮮史 2: 近現代 (世界歴史大系)朝鮮総督府.jpg 朝鮮総督府
日韓併合
 1910年8/29、「韓国併合ニ関スル条約」により、朝鮮は日本の植民地となり、大韓帝国は消滅して朝鮮は日本の一地方となります。朝鮮人に日本国籍は付与されますが、日本戸籍と朝鮮戸籍は厳密に区別されます。

 併合によって、統治機構は統監府から「朝鮮総督府」となり、初代朝鮮総督には寺内正毅が就任します。寺内は陸軍大臣兼任ですから、総督府の軍事的側面が伺われます(以後も朝鮮総督は全員軍人)。総督は天皇に対してのみ責任を負い、陸海軍の指揮権、法律制定権、行政権、司法への指揮監督権など絶大な権限をもっています。

 総督府の初期の支配を特徴づけるものとしてまずあげられるのが武断 政治である。武断政治とは文字通りむき出しの暴力によって朝鮮を支配したやり方を象徴的に表現した言葉であるが、その前提条件となったのは憲兵警 察制度であった。

 「むき出しの暴力によって朝鮮を支配した」根拠が、憲兵が警察として使われたことだというのは、短絡的過ぎます。義兵運動もありますから、憲兵に警察役割を担わせたとしても不思議ではありません。著者には、内地(日本)での思想警察としての憲兵=拷問の先入観があると思われます。憲兵は、3ヶ月以下の懲役100円以下の罰金など軽微な犯罪について、裁判なしの即決権を持っていましたから、そう言われても仕方がない面もありますが。

同化主義
西洋の帝国主義諸国の植民地が基本的に本国から遠く離れた地に存在していたのに対して、日本は自らを中心に隣接地域に向かって拡大していくタイプの帝国主義であった・・・異民族である朝鮮人を異民族として支配するのではなく、いわゆる「日鮮同祖論」なども援用しつつ朝鮮人を日本人化して支配することを志向した。その方針がもっとも先鋭に表出したのが教育政策であった。(P80)

 同化主義を、朝鮮民族と朝鮮文化の抹殺と考えるか(民族史観)、日本による朝鮮の近代化(植民地史観)、と考えるかです。総督府は1911年の「朝鮮教育令」によって普通教育に力を入れ、普通学校、高等普通学校、女子高等普通学校、専門学校(農業、工業、商業)を創設し、半島の教育レベルを引き上げます。ハングルや漢文、朝鮮史の教育と平行して国語(日本語)日本史が必須とされ、

民族主義の勃興を押さえ、日本語に堪能で日本に従順な労働者、日本の支配への追随者の創出目的とする教育方針が採られたのである。

「私立学校の取り締まり」や、四書五経を教える私塾「書堂」が16,000から25,000に殖えた記述はありますが、小学校数が100(1910)→5,960(1943)に増え、就学率は1945年には男子76%,女子33%、識字率が6%(1910)→22%(1943)上がった(呉善花『韓国併合への道』)ことなどは記されていません。「日本に従順な労働者、日本の支配への追随者」を作るための6,000もの小学校を作るとはとても考えられません。
 本書は7人の歴史学者による共同執筆ですが、この第2章「植民地支配下の朝鮮」の著者(東京大学準教授)は民族史観による記述が目立ちます。

土地調査事業
 日本の土地搾取の元凶とされる「土地調査事業(1910)」です。所有関係の明確な民有地は問題なかったようですが、問題は李朝時代の国有地。地方官の収奪を免れるために名義上皇室や政府機関に寄進した土地で、本来は民有地考えられる土地が土地調査事業によってすべて国有地となります。この調査により、それまで240万町歩であった農地面積は434万町歩となります(wikipedia)。調査をやり直したら土地が180%増えることなどありえません。おそらくは、税のピンハネしていたといわれる観察使や郡守など地方役人の汚職の温床になっていたと思われます。
 林野については1908年「森林法」施行されます。全土の7割以上を占める山林の大半は農民が共同利用していた「無主公山」で、この大部分が国有となります。朝鮮の山林は、暖房の燃料として木を伐るために禿山が多く、洪水によって農地を荒らすために、総督府はこの禿げ山にせっせと植林したようです。

こうして拡大した国有地は、東洋拓殖株式会社(東拓)をはじめとする日本人地主に払い下げられていった。さらに、土地所有権と地価が確定し、それを国家が認定する(土地登記制度の確立)ことで土地の商品化が進み、日本人を含む地主層が形成される法的条件が整った。また、土地の売買が促進されたことはそこから排除される農民を生み、農民層分解が進んだ。この結果、事業が完了した1918年にはわずか3%の地主が耕地面積の約半分を所有し、水田の65%、畑の43%が小作地となり、農民の77%が小作農・自小作農となった。

産業政策
 総督存の産業政策は、朝鮮を日本のための食料・原料の供給地、および商品市場に再編することを基軸とした。
まず着手されたのがインフラ、とくに交通インフラの整備である。朝鮮内部の、さらに朝鮮と日本との物流ルートを確保することは、効率的な植民地支配にとって不可欠であった。

 鉄道は、併合前に京仁線(京城―仁川)、京釜線(京城—釜山間)、京義線(京城―新義州)が開通しており、併合後には京元線(京城ー元三1914)、湖南線(大田ー木浦)が完成します。1911年には鴨緑江橋梁が完成し、南満洲鉄道(満鉄)と京義線とが接続され、これによって朝鮮と満州は軍事的・経済的に結びつきます。
 道路については、1917年に京城と道庁所在地を結ぶ2700kmの道路網が整備されます。港湾については併合前から整備が進められ、新義州、鎮南浦、平壌、清津、城津、元山、仁川、群山、釜山、馬山が修築され、主要な港は鉄道網と連結されます。こうして、船、鉄道、道路を用いて日本と朝鮮、さらには中国東北部を結ぶ物流ネットワークが構築されたわけです。

 434万町歩に増えた農地には「朝鮮を日本の食糧供給地化する観点から・・・日本人の嗜好に合う品種の栽培が強制」されます。米の生産量は、1000万石(1911)→1700万石(1933)→2200万石(1940)と飛躍的に伸び、米の対日輸出高は25万石(1912)→280万石(1919)へと10倍以上に急増します。日本の工業に原料を供給するという観点からは綿花栽培と養蚕業に対する関与が重要視され、綿花については、日本の紡績業に適合的な繊維の長い棉の栽培が強制され、養蚕業についても生産性を上げるため日本蚕種と改良桑苗が強制的に配布されます。

そして、さらに重要なことは、こうした農事関連の政策が警察や憲兵、あるいはその武力を背景にした農業技術官吏によって実施されていたということである。指導に従わなければ台刑に処されることすらあったというこの農政は「サーベル農政」「武断農政」ともいわれ、三・一運動で爆発する怒りのエネルギーが蓄積される大きな要因となった。

 大日本帝国は、朝鮮半島・満州侵略のために鉄道を敷き、食料確保と綿花・生糸のために朝鮮に「サーベル農政」「武断農政」を行ったというのです。日本の農政技術者は、洪水を防ぐために植林し、土壌を改良し、輸出に適した品種を推奨し、新品種を持ち込んで養蚕業を活性化させたわけです。歴史認識が異なれば、これが「サーベル農法」となるわけです。

【朝鮮史1】
【朝鮮史2】

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映画 僕のワンダフル・ライフ(2017米) [日記 (2021)]

僕のワンダフル・ライフ [DVD]  犬が「輪廻転生」して飼い主に寄り添うファンタジーです。犬の映画は数多くありますが、犬が転生するというのがこの映画ミソ。人間の寿命は85年ですが犬の寿命は15~6年、愛犬がずっと側にいてくれたらと思いがこの映画を生んだと言えます。人間が輪廻転生するなら犬だってというわけです。何しろ、人間と犬は2万年にわたって友情を育ててきたのですから…。
 タイトルの『僕のワンダフルライフ』の「僕」は人間ではなく犬のことで、主人に寄り添うため主人を護るために、犬は「転生」します。人間は脇役で主人公は犬です。

 5匹(5代)の犬が登場します。初代は野犬駆除に会って早世。「僕は何のために生まれて来たのか?」という疑問を抱き、この疑問の答えが2代目以降に引き継がれます。故に原題は”A Dog's Purpose”。2代目はレトリバーのベイリー。ベイリーは少年イーサンと出会い一人と一匹の間に深い絆が結ばれます。この絆が『僕のワンダフル・ライフ』と続編『僕のワンダフル・ジャーニー』の主題です。3代目は警察犬シェパード →4代目コーギーへと受け継がれ、5代目セントバーナードは成長したイーサンと出会い、孤独なイーサンとかつての恋人を再会させハッピーエンドとなります。ドラマとしてはそれほど面白いわけではないのですが、この「転生」が泣かせます。『マイライフ・アズ・ア・ドッグ(1985)』『やかまし村のこどもたち』のラッセ・ハルストレムですが、映画としてイマイチかな?。
 我が家のダックスフンドは登場しませんが、レトリバー、シェパード、コーギー、セントバーナードなど登場して、犬のしぐさ、表情を見ているだけで飽きません。愛犬家にはお勧めの一作です。
 我が家の駄犬もいずれいなくなる運命です。転生した駄犬と会えるかも知れないと思うと、慰められます。
 
監督:ラッセ・ハルストレム
出演:レトリバー、シェパード、コーギー、セントバーナード、ジョシュ・ギャッド(声)、デニス・クエイド

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李成市、宮嶋博史『朝鮮史 2』④  日韓併合前夜(2017山川出版) [日記 (2021)]

朝鮮史 2: 近現代 (世界歴史大系)  日韓議定書(1904)により朝鮮半島での軍事活動を認めさせ、第一次日韓協約(1905)日本政府は顧問を送り込み、財政・外交の実権を握ります。第二次日韓協約により、韓国の外交権をすべて取り上げ、第三次日韓協約(1907)によって官吏の任免権を握り、韓国政府の重要ポストに日本人を送り込みます。

1909年3月に日本政府は、義兵運動などの抵抗を抑え、支配を確立するために「最確実なる方法」は「韓国の併合」であるとし、適当な時機に韓国を「併合」する方針を閣議に提出し、同年7月、これを決定した。・・・11月、韓国政府の法部は廃止され、裁判所、検事局、監獄は統監府に移管された。また7月には韓国政府の軍部も廃止され、わずかに残された近衛儀仗兵を管掌するために宮中に親衛府が設けられた。

この年の10月に伊藤博文が暗殺されます。

日韓併合前夜
 日本の朝鮮支配は経済から始まります。日本政府はまず徴稅制度を改編し、国家の根幹を押さえます。李朝の地方行政は8つ道(長官は観察使)とその下に郡(長官は郡守)からなり、それぞれが徴税権を持っています。首長である観察使、郡守は科挙の試験に合格したエリート官僚。彼らは、イザベラ・バードが『朝鮮紀行』で

朝鮮の災いのもとのひとつにこの両班つまり貴族という特権階級の存在がある・・両班に求められるのは究極の無能さ加減である・・・非特権階級であり、年貢という重い負担をかけられているおびただしい数の民衆が、代価を払いもせずにその労働力を利用するばかりか、借金という名目のもとに無慈悲な取り立てを行う両班から過酷な圧迫を受けているのは疑いない。

と書いた両班であり、税収については、

国庫には実際に徴収された税の焼く三分の一しか入らないが、これはひとつには徴収にたずさわる官吏が腐敗しきっているせいであり、もうひとつには地方の財源管理は地方行政にある程度まかされているからである。・・・不正を厳しく取り締まり健全な会計を守れば、中央政府は相当な増収が得られるはずである。(第32章 国政改革)

 日本政府は、税のピンハネを防ぐため観察使や郡守を閉め出し、各道に税務に関する監視機関として地方委員会を設置、全国5カ所に財務監督局とその下に財務署を置きその中枢に日本人を据えます。

 金融支配も強化されます。1909年には日本の第一銀行に代わる中央銀行として韓国銀行が設置され、日本の借款をもとに各地に農工銀行、金融組合が設置され、全国に日本の金融支配が浸透します。
 朝鮮における日本人の土地所有が合法化され、日本人の土地所有も進み、1908年には、「満鉄」とともに日本帝国の植民地経営の二大国策会社である「東洋拓殖」が設立され、朝鮮第一の地主となります。未採掘の鉱物や廃鉱はすべて国有となり、外国人の鉱業権取得を認めたため日本資本による鉱山経営が始まります。
 鉄道、郵便、電信、電話も統監府・日本政府の直営となり、京釜鉄道も統監府鉄道管理局の経営下におかれ、朝鮮の近代化は日本の朝鮮支配によって始まります。

 身分制度は甲午改革(1984)で身分制度撤廃されましたが、奴婢・白丁といった賤民階層への差別は実質的に存続していたようです。1909年統監府は戸籍制度を導入し、賤民階層に姓を許可し、すべての朝鮮人子弟に教育への道が開かれます。これに反発する両班緩急は激しい抗議デモを繰り広げたといいますから、両班はどこまでいっても近代化の抵抗勢力です。
 税制、中央銀行、鉄道、郵便制度、身分制度を撤廃、憲兵を主体とした警察制度を導入(1906)と、朝鮮は次第に近代国家の姿を整えてゆきます。

植民地近代化論、資本主義萌芽論
 この日本による近代化=「植民地近代化論」を認めない考え方もあります。李朝後期には資本主義の「萌芽」が存在したが日本の植民地支配により芽が摘まれてしまったという「資本主義萌芽論」です。wikipediaによると、「韓国人が彼らの歴史の中で、産業革命の種子(資本主義萌芽)を捜そうと努力することは、オレンジの木からリンゴを求めるようなものだ」(カーター・エッカート、wikipedia)そうです。

 例えば郵便制度です。李朝末期に朝鮮には近代的郵便制度はありません( 洪英植によって企画されたことはあったが)。1876年に日本によって釜山郵便局が設けられ、1880年に元山、1883年に仁川、1888年に漢城と朝鮮各地に日本による郵便局が設置されます。これらの郵便局では日本切手がそのまま使用されてます。鉄道は、朝鮮政府によって京仁鉄道が計画されますが財政上の理由で起工できず、敷設権はアメリカの民間人の手に移り、1900年に日本資本(渋沢栄一)によって開通します。これが朝鮮半島最初の鉄道です。 1901年に京城~釜山間の京釜鉄道が着工し、1908年全線開通します。
 郵便にしろ鉄道にしろ「萌芽らしきもの」はあったわけですが、それが事業となりインフラとなるのはいずれも日本の支配が進んでからです。

【朝鮮史1】
【朝鮮史2】

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トマト ナス 植えました [日記 (2021)]

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 家庭菜園と言うほどのことはないのですが、今年もトマト植えました、ついでにナスも。ナス科は連作を嫌うというので、今年は花壇。ホームセンターで苗を買ったのですが、結構いい値段です。来年は種を取ろうと思います。
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 昨年植えたシソのこぼれ芽がたくさん出ました。右はパクチー。ハーブは重宝します。
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黄色い花はヘビイチゴ。雑草ですが、これ放っておくといくらでも殖えます。逆に言うと、グランドカバー・プランツになるのではないかと思います。右はガザニア、これも地表を這ってふえるので、雑草防止に適しています。

タグ:絵日記
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映画 チキンとプラム 〜あるバイオリン弾き、最後の夢〜(2011仏独ベルギー) [日記 (2021)]

チキンとプラム~あるバイオリン弾き、最後の夢~ [DVD]
 舞台がテヘランで、俳優はフランス、ポルトガル、イラン、イタリア、セリフは仏語、製作国がフランス、ドイツ、ベルギー、監督はイラン、と多国籍、国際色ゆたかな映画です。英語圏が全く登場しないと、こういう映画になりますw。なんとも不思議な映画なのでwikipedeliaを見ると、原作は『チキンとプラム』というコミック、その作者マルジャン・サトラピが監督しています。



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 コミックの実写版ですから、ちゃんと俳優が演じますが、ところどころにアニメがあったり、死神や何故かソクラテスまで登場するファンタジー。

ナセル
 「チキンのプラム煮」が大好物のバイオリン弾きが、死に至る8日間に人生を振り返るという話です。言っときますがシリアスな話ではなく、ファンタジーです。
 バイオリニストのナセル(マチュー・アマルリック)は、奥さん(マリア・デ・メデイロス)に愛用のバイオリンを壊され厭世気分となります。この奥さんは、数学の教師で共働き、売れないバイオリニストの亭主を半ば養っているというしっかり者。ちなみに弟は共産主義者というのは笑わせます。奥さんは、アタシが毎日働いて子供の世話をし家事をしているのに、アンタは一日中バイオリンを弾いてノラリクラリしている!。と奥さんの怒りが爆発し、バイオリンに八つ当たりして壊してしまったんです。こういう夫婦喧嘩は洋の東西を問わずイランにもあるんですね。で亭主のナセルは世をはかなんで、もう死んでしまおうとなり、ベッドに潜り込んでどうやって自殺しようかと考えます。ピストル自殺がいいか、投身自殺がいいか、どれも痛そうだし「芸術家」に相応しい死に方はないものかと…。オレの人生は何だったんだという思いがナセルをよぎります。そもそも、母親の言いなりに好きでもない奥さんと結婚したのが間違いだったのか?、オレは奥さんを愛していたのか?、子供たちには良い父親だったのだろうか?、等など。
 食事も取らずベッドに潜り込んだ夫を心配して、奥さんはナセルの好物を作ります、これが「チキンのプラム煮」、何だかんだ言ってもそれなりに愛されているわけです。

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イラーヌ
 思い出が走馬灯のようにナセルの脳裏をよぎります。音楽に目覚め、二十歳で当代一流の音楽家に弟子入りして技を磨きますが、テクニックは完璧だが心が籠もっていないとか批評され、あれこれ悩むうちにイラーヌ(ゴルシフテ・ファラハニ)に出会います。恋をすると演奏に心が籠もるようになり、師匠からモーツアルトが使ったスラスバリウスを贈られますw、ファンタジーです。この恋は成就して結婚を申し込みますが、彼女の父親に「食えない芸術家に娘はやれない!」と反対されて失恋。という背景もあって、ナセルは「結婚すれば愛は生まれるもの」と母親に説得され今の奥さんと結婚した次第。奥さんは、知ってか知らずか、イラーヌとの思い出のこもるバイオリンを壊したことになります。

 いっこうに死ねないのナセルの元に死神”アズラエル”が現れます。アズラエルはユダヤ教、キリスト教およびイスラム教において死をつかさどる天使だそうで、死神まで多国籍ですw。自殺したいのですから、死神が現れて喜んでいい筈ですがナセルは逃げ出す始末。考え直してイイ? →もう遅い!。
 ストーリはここで冒頭に還ります。ナセルはテヘランの街角で初老の女性に出会いい、イラーヌ!、ボクを憶えていない? →まったく。女性はナセルが見えなくなると涙を流します、イラーヌだったんです。彼女はナセルと別れたのち父親の薦める男性と結婚しますが、ずっとナセルを忘れられなかったのです。バイオリン弾きにはこういう過去があったわけです。

 で、アズラエルに会ったナセルは目出度く亡くなります。誰にも成し得なかった悔恨や失意があります。”C'est la vie.”、せれが人生。そんなテーマをユーモアに包んでサラッとファンタジーに仕上げるのですから、如何にもフランス映画。見ようによっては、けっこう身につまされま。余談ですが、『アメリ』『アンジェラ』のジャメル・ドゥブーズが出演しています。

監督、脚本、原作:マルジャン・サトラピ
出演:マチュー・アマルリック、マリア・デ・メデイロス、ゴルシフテ・ファラハニ、ジャメル・ドゥブーズ

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プリンター買い替え 失敗編 CANON PIXUS TS6330 [日記 (2021)]

Canon プリンター A4インクジェット複合機 PIXUS TS3330 ブラック Wi-Fi対応 テレワーク向け プリンタ.jpg
 プリンターMG6530が壊れて(給紙ができないで)買い替えました。主な用途は、年賀状、写真、レーベル印刷、コピー、スキャンです。1)手持ちのインクが使えること、2)安いこと、3)スキャンできること、を選択基準にCANONのTS6330を買ったのですが…。MG6530と比べると
 
メリット:コンパクト、タッチパネル、起動が早い、静か、印刷スピードが速い
デメリット:カセットが1個、トレイが出っ張っている、前面パネルを上げないと印刷できない、排紙トレイを引き出す必要がある、レーベル印刷が出来ない!

 MG6530は、給紙カセットの下段にA4、上段に写真用紙を入れて使い分けていたのですが、これが出来ません。おまけに、印刷の度に前面パネルを上げ、排紙トレイを引き出す必要があります(MG6530は排紙トレイが自動で出る)。つまり、このプリンターはパソコンでコントロール出来ないわけです。一番のデメリットはレーベル印刷が出来ないこと。これは落とし穴でした。レーベル印刷が出来ないとプリンターがあるとは思ってもみませんでした。トレードオフして印刷一本でコストを押さえたのかもしれませんが、HDDレコーダーにDVDコピー機能が付いているのですからレーベル印刷は必須だと思うのですが。
 よく研究して買え!という教訓でしたw。

【追記】
 レーベル印刷を出来ないので、何とかMG6530を動かせないかと…。コンセント抜いて3日放置 →スイッチONを3回繰り返したところなんと復旧しました。買い替えしなくてもよかったわけです。ということで、プリンタが2台並ぶことになりましたw。
 私の地区では、業者が家電を無料回収してくれるんですが、プリンターはEPSONだけでCANONはダメ。理由は分からないのですが、廃インクパッドの交換と関係あるんでしょうか?。

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李成市、宮嶋博史『朝鮮史 2』③ 日露戦争 、韓国の保護国化(2017山川出版) [日記 (2021)]

朝鮮史 2: 近現代 (世界歴史大系) 日露戦争.png
 中国とアメリカの間で揺れ動く現在の韓国は、末期李朝(大韓帝国)を彷彿とさせ、現在のイギリスと日本の接近は1902年の「日英同盟」を連想します。韓国・中国・アメリカの関係は、李朝・ロシア・日本の関係に置き換えること面白いです(中国=清は滅亡(1912)一歩手前で、日露に割って入る力は無かった)。朝鮮史は面白いです。
 
日露戦争(日韓議定書→第一次日韓協約)
 日露関係が緊迫する情勢下で、1904年1月、韓国政府は中立を宣言します。日本はこれを無視して2/6連合艦隊を出動させ半島南部の馬山の電話局を占領し、2/8には仁川に上陸、旅順港夜襲、仁川沖海戦によって日露戦争が開始されます。 
 2/23、日本は漢城(ソウル)を制圧して韓国に「日韓議定書」を結ばせ、韓国の独立と安全補償と引き換えに、内政干渉、日本軍の朝鮮半島での行動と韓国政府の便宜供与を認めさせます。
 議定書は一方では韓国皇室の安全康寧の保証、韓国の独立および領土保全の保証を謳っていたが、軍事・内政・外交のすべての面にわたって日本の干渉や無制限に近い行動を許すものであり、韓国の独立は危機に直面することになった。
 
 8/22には第一次日韓協約が結ばれ、日本政府は顧問を送り込み、財政・外交の実権を握ります。内政まで奪われた高宗は、日本の敵国であるロシアに密使を送って泣きつき、これが1905年3/26に露見し、協約第3条(外交は日本政府と協議)違反で第二次日韓協約締結に至ります。
 
韓国の保護国化
 (1905年4月)日本政府は「韓国保護権確立の件」を閣議決定し、韓国の外交権を奪って保護国化する方針を定めた。日本はこれに基づいて、ほかの列強から韓国の保護国化への同意を取りつけていった。7月にはアメリカと桂・タフト協定を、8月にイギリスと第二回日英同盟を結んで、アメリカのフィリピン支配、イギリスのインド支配を承認するのと引き換えに、日本の韓国保護国化を承認させた。9月には日露講和条約(ポーツマス条約)が調印され、ロシアも日本の韓国保護国化を承認した。

 これが帝国主義の世界です。アメリカがフィリピンを、イギリスがインドを支配したように、日本が朝鮮を支配したのです。イザベラ・バードが『朝鮮紀行』で「 朝鮮にはその内部からみずからを改革する能力がないので、外部から改革されねばならない(朝鮮紀行)」と見抜いた改革=支配を実行したわけです。イザベラ・バードは、1894~1897年の間に4度朝鮮を訪れています。1898年出版の『朝鮮紀行』で1904に始まる日本の韓国併合を予見していたわけです。

 インドに比べ、これといった産物もなくマーケットとしても人口の少ない朝鮮を、日本が植民地にするメリットは余り無いわけです。植民地経営というより、日本が支配しなければいずれロシアの植民地になるという安全保障上の理由で、朝鮮に進出したと思われます。ロシアの南下政策と日本の恐露病が半島で角突き合わせ、朝鮮は日本に飲み込まれたのです。
 独立を保つためには、李朝は近代化による富国強兵政策を取る必要があったと思われます。急進開化派の金玉均、朴泳孝は、明治維新をモデルに朝鮮近代化を目指し「甲申政変」を起こしますが守旧派に潰されます。イザベラ・バードの言うように内部改革の能力が無かったのです。中国の冊封を受け何事も中国に寄りかかる歴史(朱子学の事大主義)が改革の芽を詰んだといえます。
 
第二次日韓協約 (1905)→ 第三次日韓協約(1907)
 11月17日、日本軍が漢城市内に出動するなか、伊藤大使、林公使はその臨席のもとに慶運宮内において韓国政府の会議を開かせた。伊藤大使は各大臣に保護条約案への賛否を問い、反対した参政大臣韓圭尚を室外に連れ出させた。外部大臣朴斉純、法部大臣李夏栄は反対意思の表示が不徹底であったために賛成とみなされ、学部大臣李完用、内部大臣李址鈴、軍部大臣李根沢、農商工部大臣権 重 顕は条文のわずかな訂正を条件に賛成した(度支部大臣閔泳綺は反対した)。これに続いて朴斉純をして林権助公使とのあいだに条約に調印させた。これが「乙巳保護条約」(第二次日韓協約)である。伊藤大使の圧力に屈して条約案に賛成した六大臣のうち李夏栄を除く五大臣は「乙巳五賊」と称され、売国奴として厳しく指弾されることとなった。(P61)
 
 伊藤博文の有無を言わせぬ強硬姿勢が目に見えるようです。第二次日韓協約により、外務省が韓国の外交を監理指揮し、条約の締結を禁止し、全条約を引き継ぎ、韓国の外交権をすべて取り上げます。
 1907年に、高宗は協約の無効を訴える密使をハーグで開催されていた「第2回万国平和会議」に送り(ハーグ密使事件)、これが露見して高宗は退位させられ長男の純宗が皇帝に即位し、第三次日韓協約が結ばれます。この協約によって日本は官吏の任免権を握り、韓国政府の重要ポストに日本人を送り込みます。
1906年2月、統監府が設置され、3月には初代統監として伊藤博文が着任した。駐衛軍は一個師団に半減され、
駐筍憲兵隊も縮小され、駐筍軍の軍律や治安警察権の範囲もやや縮小された。その反面、顧問警察は要地に警務分署、分遣所、分派所をおいて増強された。伊藤統監は韓国政府の大臣を統監府に召集し、「韓国施政改善に関する協議会」を開いて、重要法案・政策を審議し、事実上決定した。こうして韓国政府は傀儡化させられたのである。また、日本人顧問官とその付属機関を通じて内政を掌握した。(P61)

 1902年の日英同盟によってロシアを牽制して日露戦争を開始し、日韓議定書で半島の軍事行動を認めさせ、第一次日韓協約で韓国の財務・外交の実権を握り、英米に韓国の保護国化を認めさせ、第二次・第三次日韓協約で外交・内政を奪うという、外交、戦争を使った朝鮮侵略の離れ業です。


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NHK 今日は一日○○三昧 [日記 (2021)]

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 NHK・FMのGW企画です。4/29~5/5日、午後0:15分~9:15、延々8時間余の放送されます。NHKサイト→今日は一日○○三昧。ラジオでBGMの代わりに流してもいいし、「らじるらじる」の”聞き逃し”を使えば好きな時に聴けます。連休のStayHomeにはピッタリの企画です。
 4/29【今日は一日“昭和ニッポン歌謡名曲”三昧】
 5/1  【今日は一日“大黒摩季”三昧】
 5/3  【今日は一日“スポーツアニメ”三昧】
 5/4  【今日は一日“ピアソラ”三昧】
 5/5  【今日は一日“カバーズ”三昧】

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ラムザイヤー論文 その後 [日記 (2021)]

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 シンポジウム             ご本人登場

 こちらのその後です。
 4/24になでしこアクション主催の『ラムザイヤー論文をめぐる国際歴史論争』のシンポジウムが開催されました。youtube(2時間45分)で見ることができます。第一部がパネリストの公演で、

 1)西岡 力:ラムザイヤー論文批判への反論
 2)高橋洋一:エコノミストから見たラムザイヤー論文
 3)有馬哲夫:ラムザイヤー論文批判をめぐるメディアの問題
 4)藤岡信勝:ラムザイヤー論文と歴史教科書-「従軍慰安婦」記述復活問題-」

 第二部は、パネリストに大御所・秦郁彦が加わった「討論」という構成です。加えて、当のラムザイヤー教授と、「反日種族主義」共同執筆者の李宇衍のビデオ・メッセージが寄せられています。ラムザイヤー教授のメッセージは、日本語とハングルで「文字起こし」されている念の入れよう。

 それほど新しい意見はありません。面白かったのは、

・日本のメディアでは殆ど報道されなかったこと。日本のメディアには「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」の残滓が残っている?
・慰安婦性奴隷説派は「慰安婦=売春婦説」を英語で発信されることを恐れた
・慰安婦性奴隷説派は公開討論を忌避している(らしい)

 パネリストによると、「慰安婦性奴隷説」は歴史の問題ではなく政治問題であり、同派も本音では「慰安婦=売春婦説」だそうです。これを認めてしまうと、民族の優越性というアイデンティティーが崩れてしまうわけです。福島原発の「汚染水」も同じことで、IAEAや韓国の「原子力安全委員会」がいくら科学的に安全だと言っても、これは政治問題のため日本パッシングが止むことはありません。イデオロギーは論理を超越するわけです。
 ここから導き出されたのが、日本は韓国に「教えず、助けず、かかわらず」の「否韓三原則」(古田博司)。関わらなけれいいのですが、降り掛かる火の粉は払わざるを得ないというのが「なでしこアクション」です。

 慰安婦が日本政府に補償を求めた訴訟の判決が1月と4月に出ました。1月の判決は日本敗訴(日本政府は無視)。4月の判決は、国際民事訴訟において国家を訴えることはできないという「主権免除」により棄却。という真逆の判決がでました。判決を下したのはどちらもソウルの地裁というちょっと信じかねるもの。4月の判決は、こじれる日韓関係に根を上げた文在寅大統領が「困惑している」と発言したため、政権に阿ったわけでしょうね。
 日本が福島原発の処理水を海洋放流すると発表すると、ラムザイヤー論文に飽きてきたのか手詰まりか、日本パッシングは一斉にそちらに向かいます。

 韓国は面白いです。

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