豚の角煮 を作る [日記 (2023)]
[レシピ MEMO]
1) 豚バラ肉ブロックを適当に切って脂身を下に焼く
2)下茹で →生姜とネギを入れ、肉がかぶるくらいの水で煮る・・・油が浮くので除去
3)煮る →酒、醤油、砂糖、みりんを入れ、落し蓋をして煮る
これだけ(手抜き?)。味はと云うと、酒のアテにはちょっと薄味でいわゆる照りがありません。もう少し醤油を増やし方がはいいかも。食感は台北で食べた角煮に比べると「煮豚」w。点数にすれば65点、次回は圧力鍋でやってみます。
タグ:クッキング
餡 を作る [日記 (2023)]
お彼岸なのでおはぎを作ろうと餡を煮ました、やってみれば簡単。
[レシピ]
@事前に一晩水に浸けておく。
1) 小豆を鍋に入れて豆の3倍くらいの水を入れ、強火で煮る。今回は小豆250g。
2) 3度ほど煮こぼす。
3) 弱火で1時間ほど煮る、アクが出るのでこまめに取る。
3) 弱火で1時間ほど煮る、アクが出るのでこまめに取る。
4) 指で潰れるようになったら砂糖と塩適量を加える、今回は砂糖200g。
5) 適当な硬さになったら完成。
タグ:クッキング
森万佑子 韓国併合 (1) 朝貢体制と条約体制 (2022中公新書) [日記 (2023)]
「歴史認識」は厄介な問題です。歴史をどう観るか「史観」によって180度変わります。韓国は抗日独立運動によって独立したという史観(日韓併合=悪)と、韓国の独立は日本の敗戦の結果であり朝鮮は日韓併合によって近代化されたという史観(日韓併合=肯定)が対立しています。日韓併合を悪とする歴史認識で朝鮮史を解釈すれば「好太王碑」の時代から日本は半島に侵略を繰り返してきたとなり、「従軍慰安婦」「徴用工」の問題が生まれます。イデオロギーによって書かれた歴史です。2000ページにおよぶ山川出版の『朝鮮史』を読んでみても、「植民地支配下の朝鮮」辺りになるとそれまでの客観的な記述が一転してイデオロギーが顔を覗かせます。
韓国併合について、歴史の基礎的な事実を提供する。特に大韓帝国の歴史に注目しつつ、韓国併合への過程を論じる。
とい本書を読んでみました。
ーー 目次 ーー
序 章 中華秩序のなかの朝鮮王朝
第1章 真の独立国家へ―一八九四~九五年
第2章 朝鮮王朝から大韓帝国へ―一八九五~九七年
第3章 新国家像の模索―皇帝と知識人の協和と不和
第4章 大韓帝国の時代―皇帝統治の現実と限界
第5章 保護国への道程―日露戦争前夜から開戦のなかで
第6章 第二次日韓協約の締結―統監府設置、保護国化
第7章 大韓帝国の抵抗と終焉―一九一〇年八月の併合へ
終章 韓国併合をめぐる論争―歴史学と国際法
[朝貢]体制と[条約]体制
著者は、 李朝末期の朝鮮を、500年にわたって続いた「朝貢体制」に西洋列強が持ち込んだ「条約体制」が浸透する過程と捉えます。朝貢体制とは中国との(儒教による)上下関係を明確にした「中華秩序」に組み込まれた政治・外交の体制です。(日本を含む)西欧は、その朝貢体制に日朝修好条約、朝米修好条約などの対等な国家間の秩序を突き付けたわけです。日本は、ペリーの来航によって西欧文明と条約体制を受け入れ明治維新となりますが、朝鮮は、李朝500年の中華秩序から容易に抜け出せなかったようです。その好例が日本との「書契問題」です。
1868年日本が明治新政府樹立を伝える書簡を送ると、「皇」や「勅」は中華皇帝にのみ許るされる文字であると受け取りを拒否します。日本の書簡は中華秩序に反するものだったわけです。この書契問題には後日譚があります。朝鮮は、後日日本との関係改善を目指し書契を受け入れる決断をしますが、
再度、書契を届けに来た日本側使節をもてなす宴会で、日本側が西洋式の大礼服を着用し、洋式に基づいた対応をすると主張したからだ。西洋式に服制改革をした明治日本にとって、洋服着用は近代国家としての体面に関わるものだった。 他方、朝鮮にとっては、明朝中華の服制こそが正式のものである。朝鮮で催される交隣の日本との宴会で、西洋式の衣服の着用を認めることは、夷狄・禽獣 の文化を受け入れることを意味する。高宗は明朝中華をモデルにした衣冠の堅持を重視した。結局、日朝交渉は決裂。(p22)
中華秩序が宴会での服装にまで及ぶわけです。その後日朝修好条規、米朝修好通商条約を結び、朝鮮も「朝貢体制」を引きずりながら徐々に条約体制へと踏み出します。
属国
「日朝修好条規」の第一条には「朝鮮国は自主の国であり、日本国と平等の権を保有する」と記され、日朝双方は朝鮮は中国の属国だが内政外交では自主という了解の下で条約を締結します。日朝修好条規は日本側に有利な不平等条項を盛り込んだ条約であり、日本は清との関係を考慮して宗属関係をあえて否定しなかったようです。著者は
朝鮮は長期間にわたり中国の「属国」だった。しかし、それは条約体制のもと近代国際法における保護国や植民地を意味しない。朝鮮の内政外交の自主は保たれていたからだ。のちに日本が大韓帝国に行う保護国化や植民地化とは大きく違う。(p16)
この「属国」を中国はどう見ていたのか?。日本に続いてアメリカとも修好通商条約が結ばれます。フランスのベトナム侵攻、日本の琉球統合があり、朝鮮、新疆やチベットなどの「属国」護持に危機感を募らせていた中国は、西欧の侵略を防ぐため宗主国として朝鮮の条約締結を進めます。朝米条修好通商条約の正文には「朝鮮は中国の属国、内政外交は自主」との文言はありませんが、
清は米朝の条約調印に立ち会いながら、挿入できなかった「属国自主」条項の代替案を考えた。それは、条約締結時に朝鮮国王がアメリカ大統領に送った「朝鮮は中国の属国であり、内政外交は自主である」という書簡となる。一八八二年五月に締結された朝米修好条約に続いて、朝鮮は同年にイギリス、ドイツとも同様の条約を結んだ。(p27)
著者は朝鮮を「属国自主」国だとします。・・・続きます
1) 朝貢体制と条約体制 2)日清戦争 3)甲午改革、露館播遷 4)高宗と独立協会 5)朝鮮から大韓帝国へ (6)日韓議定書、日韓協約 (7)高宗の譲位、伊藤博文の朝鮮政策 (8)日韓併合、歴史認識
映画 ナチスの愛したフェルメール(2016オランダ、ベルギー、ルクセンブルク) [日記 (2023)]
画家が登場する映画は、当blogでも『レンブラントの夜警』(ピーター・グリーナウェイ)、フェルメールの『真珠の耳飾りの少女』、異端審問を扱った『宮廷画家ゴヤは見た』(ミロス・フォアマン)、モディリアーニの『モンパルナスの灯』(ジャック・ベッケル)、『カラヴァッチョ』を取り上げています。5作品ともなかなか面白いです。贋作では『鑑定士と顔のない依頼人』(ジュゼッペ・トルナトーレ)がオススメ、ナチスの略奪美術品では『黄金のアレーデ』も面白いです。
原題は”Een echte Vermeer(本物のフェルメール)”。有名なオランダの贋作画家ハン・ファン・メーヘレンの話です。メーヘレンについて予備知識があると、映画が理解し易いです。
1947年、留置所のメーヘレン(ユルン・スピッツエンベルハー)から始まります。贋作を作ったために捕まったのかと云うとそうではなく、ナチスの占領下の1942年にゲーリングにフェルメールの絵を売ったためです。ナチスに絵画を、それもオランダの国民的な画家フェルメールを売ったことは国家反逆罪に当たるというわけです。裁判が始まり、フェルメールの入手経路を問われたメーヘレンは、絵は自分が書いたものだと主張しメーヘレンが贋作作家になった経緯が語られます。
メーヘレンは、デルフト芸術協会のブレディウス教授の若い夫人ヨーランカ(リゼ・フェリン)に横恋慕、アンタはミューズだとか何とか口説いて彼女をモデルに絵を描きます。ブレディウスは、メーヘレンの修復したフランス・ハルトの絵がに贋作だと見抜き、メーレヘンをエセ芸術家とこき下ろします。ヨーランカを巡るメーヘレンとブレディウスの嫉妬の鞘当てです。
メーヘレンは、デルフト芸術協会のブレディウス教授の若い夫人ヨーランカ(リゼ・フェリン)に横恋慕、アンタはミューズだとか何とか口説いて彼女をモデルに絵を描きます。ブレディウスは、メーヘレンの修復したフランス・ハルトの絵がに贋作だと見抜き、メーレヘンをエセ芸術家とこき下ろします。ヨーランカを巡るメーヘレンとブレディウスの嫉妬の鞘当てです。
画商に誘われて描いた贋作が15,000ポンド売れ、メーヘレンは顔料を工夫し古いキャンバスと額縁を使った贋作制作にのめり込めます。美術史家であるブレディウスは、フェルメールにはカラバッチョの影響を受けた絵が何処かに埋もれているという説を持っています。1669年から1673年の間に描かれたフェルメールの作品は見つかっていません。メーレヘンはこのミッシングリンクを埋めるカラバッチョの影響を受けた宗教画の贋作を作り、画商を通じてブレディウスから真作の「お墨付き」を引き出します。もうひとつ、メーレヘンは、『寺院で教えを授ける幼いキリスト』でキリストをヨーランカに似せて描きます。法廷で語る様に、贋作制作の動機はブレディウスへの「復讐」です。学者の自惚れに付け込み、復讐と富手に入れたわけです。この辺りが映画のキモだと思うのですがサラッと描かれるだけです。ヨーランカはブレディウスからメーヘレンに乗り換え、復讐と富だけではなくヨーランカまで手に入れます。
1940年にナチスがオランダを占領が始まり、美術収集家のゲーリングはフェルメールの贋作に大金を投じます。ゲーリングに売った絵のタイトルが『姦通の女』ですから、ヨーランカを暗示していることになります。この事実が戦後明らかとなって、メーヘレンはナチスにフェルメールを売った裏切り者として逮捕され、冒頭の留置所に繋がります。
斯界の権威ブレディウス教授の鑑定があり、誰もメーヘレンの贋作を認めません。『姦通の女』がメーヘレンの作であること証明したのはヨーランカで、法廷に贋作の証拠を持ち込んで夫の危機を救います。国家反逆罪なら極刑もあり得ますが、詐欺罪で懲役1年となります。ブレディウスは、姦通の元妻とその相手の手酷い復讐にあったことになります。
で、面白いかと云うと?、絵画好きな方にはオススメですが…。
で、面白いかと云うと?、絵画好きな方にはオススメですが…。
メーヘレンの贋作は、オランダ政府まで購入し、贋作と分かった後もアムステルダム国立美術館に収蔵されているそうです。メーヘレンは贋作で3,000 万ドル以上を得たと言われています。
ナチスというのは芸術についてこだわりを持っていたようで、ヒトラー好みの美術品を集めた「大ドイツ芸術展」や反ナチ的な作品を集めた「頽廃芸術展」を催したり、ヒトラーやゲーリングはダ・ヴィンチ、ラファエロを始め美術品の収集に余念がなかったようです。収集というより、圧力をかけて巻き上げる、ユダヤ人から略奪するというもので、ゲーリングに至っては、「退廃芸術」として没収したピカソやゴーギャンの絵を横領していたようです。そうやって集めた美術品が戦争のドサクサで行方不明になり、21世紀にひょっこり出てきてはニュースになっています。
監督:ルドルフ・ヴァン・デン・ベルフ
出演:ユルン・スピッツエンベルハー、リゼ・フェリン
タグ:映画
映画 ファイナル・カウントダウン(1980米) [日記 (2023)]
原子力空母ニミッツが乗員、戦闘機共々1941年にタイムスリップする話です。『戦国自衛隊』みたいな映画ですが、面白いのは、タイムスリップした時代が真珠湾奇襲の前日の1941年12月6日というところです。『戦国自衛隊』は、近代装備の自衛隊 vs. 刀槍の戦国武士の戦いですが、『ファイナル・カウントダウン』ではタイムパラドックスの話となります。『OK牧場の決斗』のカーク・ダグラス、『地獄の黙示録』のマーティン・シーン、『卒業』のキャサリン・ロスが登場し、F-14 トムキャットが零戦とドッグファイトを演じますから楽しいです。
1941年にタイムスリップしたニミッツは、零戦に攻撃されるヨットを救助します。ヨットに乗っていたのは上院議員のチャップマンと秘書のローレル(キャサリン・ロス)で、ここで1980年と1941年が出会うことになります。
ニミッツは、12/26に択捉の単冠湾からハワイに向けて出向した日本の機動部隊を捉えます。これを叩けば日本の真珠湾奇襲を防ぐことが出来ます。ニミッツの艦長(カーク・ダグラス)は海軍の危機を前に悩みます。ニミッツに乗っていた民間人ラスキー(マーティン・シーン)は歴史を改変することになると反対しますが、海軍の一員としては自軍の危機を見過ごすわけにはいかないわけです。
ニミッツはチャップマン、ローレルと(最後まで観ると分かりますが)犬のチャーリーを救助し、F-14で零戦を撃墜します。最高速度は零戦が500kmに対しF-14はマッハ2、空対空ミサイル装備ですから勝負になりません。ちなみにF-14は『トップガン』『トップガン マーヴェリック』で大活躍する戦闘機です。空母からカタパルトで飛び立ち、空中給油を受け、フックを引っ掛けて着艦するなど、空母と戦闘機の映像が堪能できます。wikiによると、F-4 ファントム、RF-8G クルセイダー、RA-5 ヴィジランティ、KA-6D イントルーダー(空中給油機)、A-7 コルセア II、E-2C ホークアイ、SH-3 シーキング、零戦(T-6の改造機だそうです)などが登場し、映画の筋より飛行機を見ている方が楽しいですw。当時はCGはありませんから全部実写でしょうね。
日本の真珠湾奇襲作戦を知ったチャップマンは、これを知らせるために真珠湾の海軍司令部に連れて行くことを要求します。艦長は、オーウェンス中佐に命じてこのウルサイ上院議員とローレルを付近の無人島に隔離します。諮られたことを知ったチャップマンは拳銃を奪ってパイロットを脅しもみ合っている間にヘリが爆発炎上。一方、艦長は日本海軍機動部隊を叩くためにF-14を発進させます。歴史が変わるのでは?という心配は要りません。そうなると予想していましたが、ニミッツは都合よく1980年にタイムスリップします。離島でのヘリの炎上から難を逃れたオーウェンスが1941年に取り残され、犬のチャーリーが1980年取り残されます。ラストも予想通り、ラスキーと犬のチャーリー、オーウェンスとローレルは1980年に再会を果たすわけです。
他愛ないと云えば他愛ないですが、舞台を1941年12月6~7日にもってきたこと、当時の最新鋭の戦闘機が登場することで、なかなか見応えのある映画に仕上がっています。『トップガン マーヴェリック』を観た方にはオッススメです。懐かしいキャサリン・ロスにも会えますw。
監督:ドン・テイラー
出演: カーク・ダグラス、マーティン・シーン、キャサリン・ロス
タグ:映画
iMac 液晶割れの修理 [日記 (2023)]
ジャンクで入手したiMacです。macを使って見たかったので、液晶の割れたiMacを破格値で手に入れました。今のところ順調に動いているのですが、やはり液晶のヒビが気になるので修理しました。紫外線で固着するレジン(車補修用)で修理できるらしいので、レジン液とUVライトを入手してやってみました。液晶の周囲の黒い部分は何とか補修できて「割れ」の拡大は防げそうですが、液晶のヒビはレジン液が盛り上がってかえって目立ちます →失敗?。天気が良かったので日光に10分ほど晒し硬化させました。UVライトは必要なかった様です。
ヒビ割れ以外はハード&ソフトとも至って順調。WBCを観戦しFNNプライムニュースを視聴しています。ディスプレイ、スピーカーがあるので、Windowsのデスクトップより使い勝手は良好で、ほぼAV家電です。
ヒビ割れ以外はハード&ソフトとも至って順調。WBCを観戦しFNNプライムニュースを視聴しています。ディスプレイ、スピーカーがあるので、Windowsのデスクトップより使い勝手は良好で、ほぼAV家電です。
小川 哲 地図と拳(2022集英社) [日記 (2023)]
時代は1899年〜1945年、舞台は満州。地図とは「君は満洲という白紙の地図に、日本人の夢を書きこむ」とあるように中国東北部、満州を指し、拳とは満州を制圧した関東軍の軍事力、また抗日武装組織を指します。五族協和の理想を抱き「満州」建国に燃える日本人と民族の自立を目指す中国人の物語です。
舞台は満州の架空の村《李家鎮》。李家鎮に石炭が発見されたため、後に《仙桃城》と呼ばれる街に発展し滅びるまでの50年の興亡史です。作者は満州国の勃興と滅亡を李家鎮に置き換えたわけです。
冒頭、ハバロフスクからハルビンへ向かう陸軍参謀本部の間諜、高木と通訳の細川が登場します。細川は李家鎮に石炭鉱脈があることを知り、日本の開発によって李家鎮発展の契機となります。登場人物は、満鉄社員となった細川、須野、高木の息子(正確には妻が再婚して生まれた)明男、抗日組織の孫丞琳、関東軍兵士、八路軍の指揮官、ロシア正教の宣教師e.t.c.と多彩、泥棒まで登場します。これら登場人物よって満州を多面的に描きだそうというのが作者の意図なのでしょう。個々のエピソードをジグソーパズルのピースとして満州という「事件」を描き出そうというわけです。
1928年には張作霖が爆殺され、1931年には満州事変が起き、この物語りの中盤1932年に満州国が建国されます。1937には国共合作、盧溝橋事件と満州に関わる事件が勃発しますが、そうした時代背景はほぼスポイルされます。後世の我々は、俯瞰的に満州国の成立を知っていますが、物語に登場する兵士や庶民はそうした歴史を知る術はありません。ありませんが、そうした歴史の影響下で登場人物を動くのが小説です。
満州事変の立役者石原莞爾、満州の影の支配者甘粕正彦も(名前は出てきますが)登場せず、謀略も詐術とも無縁にストーリーは李家鎮=仙桃城の内で展開します。例えば、共産党の軍事組織、八路軍の「整風運動」と云うエピソードが描かれます。兵士に自己批判を強いて思想統制を図る運動で、後の文化大革命を彷彿とさせます。抗日組織の孫丞琳の関わるエピソードですが、それがストーリーにどうか関わったのかは?。また、日本人の反戦地下活動や憲兵隊よる弾圧も描かれます。拷問に屈し裏切りによって運動は崩壊します。如何にもありそうなこれら個々のエピソード、ピースが組み合わさってひとつの「物語」を形作るかと云うとそうでもなく、断片に過ぎません。
本書は第168回直木賞受賞作です。直木賞を受賞したのですから力作なんでしょうが、個人的にはドラマの無い断片の集合に過ぎませんでした。きっと読解力が足りないのでしょう、ちょっと当てが外れましたw。
映画 ピアノ・レッスン(1993仏ニュージーランド豪) [日記 (2023)]
原題、”The Piano”。19世紀中頃のスコットランド。口のきけないシングルマザーが、写真で見合いをして、ピアノを持って遥か彼方のニュージーランドに嫁ぐというドラマです。冒頭、ヒロインのエイダ(ホリー・ハンター)の独白があります。彼女は6歳で話すことを止め以来一言も言葉を発しません。父親は、これを「息を止める決心もしかねない”暗い才能”だ」と言います。自らの意思で話すことを止めたほどの強い女性という設定です。何故話すこと止めたのかは描かれませんが、そちらの方が気になります。エイダは話せないだけで耳は聞こえ、手話で意思を伝え、娘のフローラ(アンナ・パキン)が通訳します。『クワイエット プレイス』『コーダ あいのうた』で聴覚障害者(ろう者)の登場する映画を観ましたが、表情や身振り手話の演技は見応えがあります。この映画でホリー・ハンターとアンナ・パキンはオスカーを受賞しています。
口のきけない口をきかないエイダにとって、ピアノは言葉に代わる重要な表現手段。そのためスコットランドからはるばるニュージーランドまでピアノを運んだわけです。ところが、夫のスチュアート(サム・ニール)は重いからと云う理由でピアノを浜辺に置き去りにします。
開拓民のスチュアートはピアノより土地が重要だと、原住民マオリ族に混じって暮らすヘインズ(ハーヴェイ・カイテル)に土地と交換にピアノをレッスン付きで売り払ってしまいます。
エイダはピアノが弾ける嬉しさ、表現できる喜びでヘインズの住居を訪れレッスンが始まります。ヘインズはレッスンなどそっちのけでエイダにセクハラ、これが目的でピアノと土地を交換したわけです。黒鍵の数だけ来ればピアノはアンタのものだ →レッスンの回数が重なると共にエイダは次第にヘインズに傾斜し遂には不倫に至ります。この辺りの心理は分かり難いですが、エイダは自分の言葉=ピアノの演奏に耳を傾けてくれるヘインズと、ピアノを浜辺に置き去りにし挙げ句の果てに土地と交換に売ってしまうスチュアートの間で、ヘインズを選択したのでしょう。
やがて二人の関係はスチュアートにバレます。バラしたのは娘のフローラで、フローラは母親とヘインズの間に割って入ったわけです。スチュアートはエイダを監禁しエイダは鍵盤に刻んだラブレターを娘に届けさせます。フローラはこれもバラし、怒ったスチュアートはピアノを弾けないようにエイダの指を切り落とします。
最後はエイダの”暗い才能”が勝利します。父親が”暗い才能”を恐れて彼女をニュージーランドに嫁がせた様に、スチュアートもまたエイダとヘインズをピアノと共に北の町へ送り出します。町へ向かう船上、エイダは自分の分身でもあるピアノを海に捨てます。ピアノを縛っていたロープに絡め取られ海の中に引きずり込まれますが、ロープを外して生還するエピソードが描かれます。ピアノを捨てると云う行為は、”暗い才能”からの脱却を意味しているでしょう。フローラによると、エイダは新しい町で密かに話す訓練を始めたいうことです。
ニュージーランドと云うと草原と人間の数より多いと言われる羊の群れを想像しますが、19世紀の英国領ニュージーランドは原住民のマオリ族と開拓者が混在する未開の地。純朴なマオリ族と「天使の羽」のコスチュームを付けた6歳のフローラを背景に男女の愛憎劇が進行し、”暗い才能”からの脱出で幕を閉じます。この暗喩に満ちた映画が面白いかと云うと?ですが、ホリー・ハンターの演技は一見の価値があります。アカデミー賞、カンヌ国際映画祭パルム・ドール、ゴールデングローブ賞など獲得の名画らしいです。
監督:ジェーン・カンピオン
出演:ホリー・ハンター、ハーヴェイ・カイテル、サム・ニール、アンナ・パキン
タグ:映画
映画 リプリー(1999米) [日記 (2023)]
原題、The Talented Mr. Ripley。有名なアラン・ドロン『太陽がいっぱい』(1960)のリメイク、というよりパトリシア・ハイスミス『リプリー』の再映画化です。『太陽がいっぱい』はトム・リプリーの野望と「挫折」の物語ですが、『リプリー』は社会的階層からの脱出を夢みたトムの「破綻」の物語です。アラン・ドロンのトムがギラギラした野心を内に秘めたイケメンだったのに比べると、マット・デイモンのトムは何処にでもいる冴えない男(マット・デイモンはメガネをかけている)。逆に、ジュード・ロウのディッキーがイケメンで、『太陽がいっぱい』とは逆です。
プリンストンのエンブレムの付いたジャゲットを借りたため、トム・リプリー(マット・デイモン)の運命が回転し始めます。富豪のグリーンリーフが「キミはウチの息子と同じプリンストンの出身か?」と声をかけ、「ハイ同級生です」と嘘をついたため、グリーンリーフからイタリアで遊び呆けている放蕩息子ディッキー(ジュード・ロウ)を連れ戻す仕事を依頼されます。報酬は1000ドル。トムはプリンストンではなく音楽学校の出身で、ピアノ演奏やホテルのボーイのアルバイトで暮らす貧しい生活。グリーンリーフの知遇を得たことを、現在の境遇から抜け出すチャンスと考えたわけです。
プリンストンのエンブレムの付いたジャゲットを借りたため、トム・リプリー(マット・デイモン)の運命が回転し始めます。富豪のグリーンリーフが「キミはウチの息子と同じプリンストンの出身か?」と声をかけ、「ハイ同級生です」と嘘をついたため、グリーンリーフからイタリアで遊び呆けている放蕩息子ディッキー(ジュード・ロウ)を連れ戻す仕事を依頼されます。報酬は1000ドル。トムはプリンストンではなく音楽学校の出身で、ピアノ演奏やホテルのボーイのアルバイトで暮らす貧しい生活。グリーンリーフの知遇を得たことを、現在の境遇から抜け出すチャンスと考えたわけです。
リプリー ディッキー
トムとディッキーの出会いは象徴的です。イタリア、地中海沿いのリゾート地の海辺。トムは、恋人のマージ(グウィネス・パルトロー)とデッキチェアに寝そべるディッキーに「プリンストンの同級生、トムだ」と声をかけます。イタリアの太陽に焼かれたディッキーの赤銅色の肌に比べ、トムは生っちょろい白い肌。リゾート地で優雅に暮らす放蕩息子と、NYから来た貧しい青年がクッキリと描かれます。ふたりは共通の趣味ジャズを通じて親密となります。ジャズはトムがディッキーに近づくために学習したもの。ディッキーとマジー、トムの奇妙な関係が進行します。
これも放蕩者のアメリカ人、デッキーの友人フレディー(フィリップ・シーモア・ホフマン)のセリフはトムを見事に言い当てています。
トム、いい仕事を見つけたもんだよな。イタリアに住んでディッキーの家に居座り、タダで飲み食い、ディッキーの服を着て、デッキーの親父に金を貰う。飽きたら知らせてくれオレが引き継ぐ。
トムはディッキーの家に居候し、ディッキーを連れ帰るどころか、共にヨットを乗り回しローマ、ナポリ、サンレモとイタリアを旅行する上流階級の生活を満喫します。後にデイッキーに非難されますが文字通り「寄生虫」です。貧しい階層からの脱出するはずが、ディッキーと共に生活し贅沢な生活をする間にアイデンティティーを喪失し、ディッキーとの彼我の境界が次第に曖昧となります。面白いのは、ディッキーへの依存が愛(ホモセクシュアル)に転化するところです。決定的な破局が訪れます。トムはデッキーがマージと別れ自分と生活することを望み、ディッキーはトムを「寄生虫」と非難し、ついにはディッキーを殺してしまいます。痴情のもつれみたいなものです。
ディッキーを殺したトムは、マージの前では彼が生きているかの様に装いトム・リプリーとディッキー・グリーンリーフの二役を演じます。『太陽がいっぱい』は、トムの犯罪が露見するところで終わっていますが、『リプリー』のトムはトリックを見破ったフレディーを殺し、殺人を重ねます。借り物のプリンストンのブレザーを着て「ハイ、同級生です」と嘘をついたトム・リプリーの破綻の物語です。
原題”The Talented Mr. Ripley”のTalentedとは、リプリーの「真似」をする才能のことです。リプリーはディッキーに父親グリーンリーフの口調を真似て驚かせ、ディッキーのサインを真似て彼の手紙を書きます。他人を真似る、他人に成りすます才能によって、何時の間にか自分のアイデンティティを喪失します。
ルネ・クレマンは持たざる者の野心と挫折を描き、アンソニー・ミンゲラは持たざる者の虚栄の破綻を描いたわけです。映画の完成度という点においては、ルネ・クレマンに軍配があがるようです。
ルネ・クレマンは持たざる者の野心と挫折を描き、アンソニー・ミンゲラは持たざる者の虚栄の破綻を描いたわけです。映画の完成度という点においては、ルネ・クレマンに軍配があがるようです。
監督:アンソニー・ミンゲラ
原作:パトリシア・ハイスミス
出演:マット・デイモン、ジュード・ロウ、グウィネス・パルトロー、ケイト・ブランシェット、フィリップ・シーモア・ホフマン
タグ:映画
macメモ(8)macとAndroidスマホの同期 [日記 (2023)]
Ctalinaの技術仕様を見ると、macとiPhoneはよく連携が取れていていろいろ出来るようです。iPhone持っていないのでよく分からないですが、android⇔macでどこまでiPhone⇔macに近づけるのかやってみました。
GooglePhoto →写真、動画
Evernote →プライベートデータ、その他、OneNoteに変更
でスマホとmacはクラウド経由で連携は取れています。メール、カレンダー、連絡先の同期をしてみました。androidとmacの同期はGoogleのクラウドサービスを使うようです。
カレンダー同期 連絡先同期
電話とメッセージは、サードパーティーのアプリを入れないとCtalinaでは無理?なようです。取り敢えずmacからメール、カレンダー、連絡先が使えるようになったので、よしとします。
連携カメラ →iMacにはカメラがあるので不要、アプリを入れれば可
電話機能、SMS →iMacからはしない、アプリを入れれば可、chromeのプラグインでLineが可能
Instant Hotspot →androidのテザリング
AirDrop →androidのニアバイシェア
連係スケッチと連係マークアップ、Handoff、ユニバーサルクリップボード、はandroidでは出来ないようです。
macはこの辺りで打ち止め、2週間ほど楽しみましたw。
Android File Transferを入れました。これでmac⇔androidのファイル転送が楽になりました。
macメモ (1) iMac入手編
macメモ (2) windowsキーボードでEvernote
macメモ (3) OSのアップデート
macメモ (4) macのアプリケーション
macメモ (5) iMac ジャンク
macメモ (6) windowsのアプリはどうする?
タグ:MAC